募集額1400万円のアエロリットが大活躍!それに対し8000万円の超良血馬はまさかの……
7月31日、ネット事業を展開するDMM.comグループが新しく設立したクラブ馬主法人「DMMドリームクラブ」が運営する「DMMバヌーシー」の記者発表会が行われた。
すでにニュースで話題になっているのでご存知の方も多いだろうが、初回のみの費用で毎月の維持費が不要という斬新なシステム、資金力にものをいわせた良血馬の権利を低価格で所有できるなどまさに新時代のクラブ法人といえるだろう。
第一弾の募集馬9頭はキタサンブラックの全弟やリアルスティールの全妹など良血馬が揃っており、来年にはジェンティルドンナの妹の追加募集もある様子。8月5日の募集開始からどれほどの申し込みが集まるか楽しみだ。
この「DMMバヌーシー」によって注目されている「一口馬主クラブ」だが、近年その活躍はめまぐるしい。今年の日本ダービー馬レイデオロ、オークスを勝ったソウルスターリングもクラブ法人の馬であり、年間馬主リーディングも1980年代からクラブ法人が独走している。
先週行われた第65回クイーンステークス(G3)を勝ったアエロリットもクラブ法人サンデーレーシングの馬で、関係者はさぞかし盛り上がっていると思っていたが、現状はそうでもないという話を聞く。それはクラブ法人ならではの悩みがあるようだ。
サンデーレーシングの場合は年間80頭程度を募集し、その募集額はアエロリットの世代で最高1億5000万円、最も安価でも1000万円。これを40口に分けて一口づつの権利を販売し、預託料などの経費を負担してもらう代わりに口数に応じた賞金も分配する仕組みだ。
アエロリットの募集額1400万円は現3歳世代82頭の中で上から74番目、価格帯は下から3番目の1400万円。一口35万円は決して安くはないが、ここまでNHKマイルカップ、クイーンステークスと重賞を2勝し獲得賞金額は1億9550万円、一口当たりの分配額は約400万円となっており、すでに投資分は回収した計算になる。
サンデーレーシングといえばかつてドゥラメンテ、ジェンティルドンナ、オルフェーヴル、ブエナビスタといった活躍馬を所有し、日本だけでなく世界のG1レースを勝ちまくったクラブ。またその母体であるノーザンファームは日本最大手の生産牧場であり、サンデーレーシング以外でもキャロットファームやシルクレーシングといったクラブにも馬を供給している。