凱旋門賞挑戦のサトノダイヤモンドにまたも試練……欧州の「天才少女」エネイブルに続き、13年ぶりの「欧州3歳牝馬マイル三冠」ウィンターも参戦か

 今年の3歳馬は牡馬よりも「牝馬の当たり年」といわれているが、それは日本だけではないのかもしれない。

 この春、わずかキャリア3戦で英オークス(G1)を5馬身差で勝利し、続く愛オークス(G1)でも5馬身半差の圧勝。衝撃的な走りを披露した英国のエネイブル(牝3歳、英・J.ゴスデン厩舎)は、勢いそのままに今度は先月29日のキングジョージ6世&QES(G1)で古馬を圧倒した。この秋の凱旋門賞(G1)の前売りで1番人気に躍り出ている。

 欧州三冠レースの1つとなる真夏の祭典キングジョージ6世&QESで、昨年の凱旋門賞2着馬ハイランドリールなど一流古馬を相手に4馬身半差のレースを見せたエネイブル。昨年の優勝馬ファウンドを含め、凱旋門賞が牝馬の強いレースであるからこそ、今や「天才少女」と称される本馬の信頼は揺るぎないものになりつつある。本番までまだ約2カ月残されているが、余程の事情がない限り1番人気を下回ることはなさそうだ。

 ただ、唯一エネイブルの大本命を揺るがす存在がいるとすれば、同じ3歳牝馬のウィンター(牝3歳、愛・A.オブライエン厩舎)になるだろう。

 英愛オークスを制したエネイブルが「欧州のオークス馬」であれば、このウィンターは「欧州の桜花賞馬」といったところか。ここまで8戦5勝、2着1回、3着2回。この春は英国の桜花賞にあたる英1000ギニーを快勝すると、続く愛1000ギニーは4馬身3/4差で圧勝。さらに欧州3歳牝馬のマイラーの頂上決戦コロネーションS(G1)も完勝し、2004年の英国馬アトラクション以来、13年ぶりの「欧州3歳牝馬マイル三冠」を成し遂げている。

 そして、ウィンターが3歳マイル王だけに留まらず、世界の頂点を狙える器であることを証明する事象が、現時点で「2つ」起きている。

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