【徹底考察】オークス(G1) ロッテンマイヤー「忘れな草賞経由の女王は過去に4頭。超良血馬は昨年のミッキークイーンに続けるか」
【血統診断】
クロフネの牝馬といえば、まずカレンチャンやスリープレスナイトといった名スプリンターが頭に浮かぶ人も多いのではないか。そのため、いくらブエナビスタの姪とはいえ、東京2400mは苦しいというイメージがあるかもしれない。だが、この馬の場合、どちらかといえば同じクロフネ牝馬でもヴィクトリアマイルを制したホエールキャプチャのイメージに近い血統構成を持っている。
ホエールキャプチャはクロフネ×サンデーサイレンスと一見、特別なスタミナの裏付けは感じない。だが、エリザベス女王杯を勝った女傑タレンティドガールを有する牝系は、ブラッシンググルーム系のナシュワンが豊富なスタミナを秘めている。ホエールキャプチャもオークスで3着に好走し、その後も秋華賞や札幌記念で馬券になったのは母方のスタミナの後押しがあったことが大きい。同時にクロフネ×サンデーサイレンス系アグネスタキオンという配合のロッテンマイヤーも、母方にはスタミナに優れたニジンスキー系のカーリアンが内包されており、ビワハイジの仔が距離をこなせる裏付けになっている。従って、オークスの舞台となる東京の2400mはベストディスタンスではないものの、3歳牝馬同志であれば問題なく対応できるだろう。成長力を多分に秘めた配合で本格化はまだ先になりそうなだけに、あとは単純に現時点で能力が足りるかの問題だ。
≪結論≫
『考察』で述べた通り、本馬が快勝した忘れな草賞のメンバー構成は一定以上の水準にあるといえる。だが、超スローペースを逃げ切りという、大きく展開に恵まれた内容をどう判断するか。ペースによって位置取りを動かせるのは、長丁場のオークスで大きな武器となりそうだが、それだけに忘れな草賞をエスコートした川田騎手が乗り替わるのは痛い。本番のT.ベリー騎手が想定されているが、どこまでこの馬の特徴を掴めるかがカギを握りそうだ。
ただ、【血統診断】でも触れたように東京の2400mはクロフネ産駒の本馬にとって、決してベストな舞台ではない。過去にもホエールキャプチャが3着しているが、逃げたクロフネサプライズは直線で失速して、4番人気ながら12着に大敗している。出走メンバーの大半が距離に不安を抱えているのがオークスの特徴だが、この馬も道中はできる限り折り合いに専念したいところだ。