札幌2歳S(G3)の超ハイレベル「3強」対決に注目 ジャングルポケットとテイエムオーシャンが激突し、翌年のJRA賞を独占した伝説の再現なるか
産駒の初勝利までにやや時間が掛かったが、距離が伸び始めるとすぐに頭角を現し始めた新種牡馬オルフェーヴル。史上7頭目のクラシック3冠馬が、9月2日に行われる札幌2歳S(G3)で産駒の重賞初勝利を狙う。
その底知れぬスケールに、早くも注目が集まっている。函館1800mで行われたデビュー戦をレコード勝ちし、父の種牡馬初勝利をド派手に飾ったクリノクーニング(牡2歳、栗東・須貝尚介厩舎)が初の重賞もプレゼントするのだろうか。
先月9日に行われた7頭立ての新馬戦で、2番人気に支持されたクリノクーニングは3番手につけると、最後の直線ではほぼ馬なりのまま粘り込みを図ったカレンシリエージョを捉えてゴール。着差こそ1馬身半に留まったが、手応えには歴然とした差があった。それも3着以下には8馬身以上の差をつける圧巻の走りである。
当初はド派手なレコード勝ちにも「相手が弱かっただけ」という声もあった。しかし、そのわずか2週後、同じく函館1800mの未勝利戦に出走したカレンシリエージョが、後続に8馬身をつける圧勝。この勝利により、クリノクーニングの評価は日に日に高まっているようだ。ちなみにカレンシリエージョは、この春のヴィクトリアマイル(G1)を制したアドマイヤリードの半妹という評判馬だった。
クリノクーニング陣営が推す強みは、その完成度の高さだ。すでにデビュー前から好時計を出すなど素質の高さが垣間見えていたが、今回の1週前追い切りでも古馬オープンのシュウジ(キーンランドC(G3)に出走)に胸を借りる形で堂々たる走り。最後にはやや遅れたが、調教駆けする歴戦のスプリンターに最後まで食らいついた。
また、同じくオルフェーヴルを父に持つロックディスタウン(牝2歳、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)も素質の高さでは負けていない。