【紫苑S(G3)展望】秋華賞を最高の状態で迎えるのはディアドラ? 最後の一冠へ向けた乙女たちの前哨戦
9月に入り夏から秋へと季節の移り変わりを様々なところで感じる中、競馬界も毎回熱い戦いを見せてくれた夏競馬が終わり、本格的な競馬シーズンへと向かっていく。そんな秋競馬の開幕となる9日(土)の中山競馬場では、3歳牝馬による紫苑S(G3)が開催される。以前から秋華賞(G1)へのステップレースではあったが、昨年からG3へと格上げされたことで出走馬のレベルが上がり、これまでよりも見ごたえのあるレースとなりそう。そんな紫苑S(G3)への出走を予定している注目馬を紹介する。
出走するレースでは常に安定した成績を残しているディアドラ(牝3、栗東・橋田厩舎)が注目すべき存在となるだろう。クラシックには春から参戦。桜花賞(G1)6着、オークス(G1)4着の成績を残し、今回の出走予定メンバーの中ではそれぞれのレースで最先着した実績となるだけに、ここでも上位争いに絡んでくることは必至だろう。また、実績面だけでなく能力面でもここ4戦で上がり最速を立て続けに記録しているように、高い瞬発力を見せている。現在のところ重賞では昨年のファンタジーS(G3)での3着が最高となっているが、成長した今ならば悲願の重賞勝利も十分可能なはず。前走のHTB賞(1000万下)では格上とも思える古馬を蹴散らし勢いに乗っているだけに、このままいい流れで秋華賞(G1)への切符を手に入れたいところ。
春は全休したルヴォワール(牝3、美浦・手塚厩舎)だが、相当なポテンシャルを秘めていそうで楽しみな1頭。新馬戦は好位に取り付いてレースを進めて危なげない勝利。2戦目のミモザ賞(500万下)は新馬戦とは戦法を変えて後方待機からの差し切り勝ちと、レース展開を問わない器用な走りができる。勝利した2戦はともに今回と同じ中山競馬場の芝2000mであるだけに、期待できる条件と言えそうだ。まだレース経験が浅く力関係はハッキリしないが、最後の一冠を争う中での「台風の目」となりそうだ。
ライジングリーズン(牝3、美浦・奥村厩舎)は、出走予定メンバーで重賞勝ちの実績がある唯一の馬。雨が降りしきる中で行われたフェアリーS(G3)で差し切り勝ちを決めており、この時に負かした相手には今年のNHKマイルC(G1)などで勝利を上げているアエロリットがいる。前走のラジオNIKKEI賞(G3)、前々走の桜花賞(G1)では良い結果を残せていないこと、今回が初めての2000m戦ということで、距離延長の克服など課題も多い。ただ、中山競馬場は3戦3勝と相性のいい舞台。ここでしっかりと好走して復調のきっかけを掴みたい。