デムーロ騎手「肘打ち」の次は「奇声」で川田騎手を脅す!? ルメール騎手も交えて神戸新聞杯(G2)の”舞台裏”を暴露
レースは勝負所を迎え、まず先に動いたのがレイデオロだった。スッと先頭集団を射程圏に捉えに行くが、それをマークしていたサトノアーサーは動かず。結果的にサトノアーサーは、この時に付けられた差を埋められずに敗れている。
しかし、川田騎手はそれも覚悟してあえて動かなかったようだ。「(レイデオロが動いたのはわかっていたが)、サトノアーサーのリズムを大事にしました。レイデオロが凄く良さそうに見えたので、あとはこの馬を捕まえられるかどうかと思っていました」とコメント。あくまで前哨戦ということもあり、結果よりも内容を重視した川田騎手らしい発言だった。
最後の直線を迎え、先に抜け出したダンビュライトを手応え十分に交わし切ると、そのまま独走に入ったレイデオロ。ダービー馬の貫禄を見せつける強い内容だったが、ルメール騎手は「休み明けだったから、馬の本能がちょっと遅かったね」と期待ゆえの辛口ジャッジ。この辺りがジャパンCで解消できれば、さらに強い走りが見られそうだ。
一方、最後の直線で厳しい競馬を強いられたのがキセキだった。後方から必死の追い上げを見せたが、内々を進んでいたせいで前が壁になるシーンも。即座に進路を切り替えたが、そこでデムーロ騎手の”奥の手”が出たようだ。
「(前を走っていた)僕に『エーイ!!』って言ったんですよ。『あれ、そんなに狭いかな?』と思ったら、もう横に来ていました……」
そう語ったのは、川田騎手だ。どうやらキセキの進路が狭かったため、デムーロ騎手が川田騎手に”奇声”を上げて知らせた様子。声に驚いた川田騎手が反射的に、外側へ開いたところを上手く間に入られたようだ。
これにはデムーロ騎手も苦笑いで「すいません」と平謝り。ルメール騎手も「ミルコ(デムーロ)の声には注意ですね」と、レース中に感情を抑えられないイタリア人気質を冗談交じりにイジると、会場は大きな笑いに包まれた。
それでも「凄くいい脚でした。しかし、4コーナーから直線でスムーズなレースができず、逆にクリストフ(ルメール)の馬(レイデオロ)は非常にスムーズだったため、その差が出た。しょうがないですね」とデムーロ騎手は、キセキの能力の高さを再確認。