JRA種牡馬リーディングに「新たな風」? 「竜王」ロードカナロアに「欧州最強」ノヴェリストが躍進
15日の秋華賞(G1)を鋭い末脚で勝利したディアドラ。同馬の父親は種牡馬リーディング7位のハービンジャーで、初のG1制覇となった。
コテコテの欧州血統であるハービンジャー産がG1を勝ったということで、競馬界に新たな風が吹くのではと期待している声は多い。そんな中、すでにJRA2歳リーディングでは「世代交代」の波が押し寄せている。
その主役が、今年から産駒がデビューしたロードカナロアだ。現役時代はスプリントを中心に国内外でG1競走6勝、香港スプリントすらも連覇し「竜王」の名で世界から恐れられた存在だ。無論種牡馬入りしてからも人気は高く多くの繁殖牝馬が集まっていたが……。
2歳がデビューした今年、いきなりステルヴィオが新馬を勝利すると、他の産駒も次々と勝利を重ねる。現在、ロードカナロアは新馬で多くなる短距離に強いダイワメジャー(賞金3位)やキンシャサノキセキ(賞金6位)を差し置いて16勝、2歳順位の2位に付けている。
ロードカナロアもスピードタイプなので、ある程度の活躍は想像の範囲内だったものの、ここまでのスタートダッシュを切った要因はどこにあるのか。
「種牡馬としての期待度は同じ年に引退したオルフェーヴルと同等なのでいい繁殖が集まったのは事実ですが、ここまでの躍進は、それこそハービンジャーと同じく、サンデーサイレンスの血が一切入っていないからでしょう。この勢いを保てば、キングカメハメハの『後継者』となる可能性もあります。
特に、現在日本の種牡馬界をリードするディープインパクトを付け放題というのが大きい。今後も優秀な産駒が次々生まれるかもしれませんね」(記者)
2歳リーディングでいえば、2年目のルーラーシップが4位、今年デビューのノヴェリストが8位に食い込むなど、非サンデー系の活躍が目立つ。日本競馬の積年の問題である「血の飽和」に対抗する素質が今、爆発しようとしているのか。
3年後、種牡馬リーディングはどうなっているのか。願わくば、いい意味での世代交代が活発になってくれることを願う。