武豊キタサンブラック「最強包囲網」結成か……天皇賞で関東の「魔術師」と武騎手を”恐れない”2人
29日の天皇賞・秋(G1)で間違いなく主役を担うキタサンブラック(牡5 栗東・清水厩舎)。G1競走5勝、獲得賞金歴代5位と頭一つ抜けた存在である。
しかし、だからこそ、誰もがこの馬を意識し、潰しに行くことは確実。逃げ先行脚質のキタサンブラックは、それだけ標的にもなりやすいというもの。これまで多くのチャレンジャーを退けてきたキタサンブラック。「チームプレイ」で敗れたのは昨年の有馬記念、サトノノブレスとサトノダイヤモンドの「サトノコンビ」のみだが……。
今回、可能性としてある「チームプレイ」は、サトノコンビをも超えるものになるかもしれない。
それが、堀宜行厩舎のネオリアリズムとサトノクラウンだ。
ネオリアリズムは今年の香港クイーンエリザベス2世Cを制し、初戴冠を海外で果たした大器。6歳の現在も未だ「真の実力」はヴェールに包まれているが、昨年は札幌記念でモーリスに完勝、マイルCSを不利があって3着と随所に高い実力を示し続けている。
サトノクラウンはまさに「馬場不良」の鬼。これまで制した重賞の多くが稍重以上のものであり、夏の宝塚記念ではキタサンブラックが沈む中、そのパワーを存分に見せつけて完勝。昨年末には香港ヴァーズで世界チャンピオンのハイランドリールも下しており、その評価は国際的にも高い。
この2頭は、キタサンブラックと同じくここが「秋始動戦」。キタサンブラックはここからジャパンC、有馬記念のローテーションを発表しているが、この2頭はおそらく別の道を歩むことが有力視されている。
ネオリアリズムは、昨年のリベンジでマイルCSの可能性もあるだろうし、春の実績から香港遠征を選択する可能性もある。サトノクラウンもまた東京2000mや良馬場での不安があり、この結果次第で昨年制した香港の舞台を目指す可能性大だ。海外志向の強い堀調教師だけに、その選択をしても驚きはない。