エアスピネルまた未冠「武豊ならば……」ムーア騎手もベスト騎乗を見せたが、もはや足りないのは”ツキ”のみか
19日のマイルCS(G1)は、ペルシアンナイトが3歳馬としては17年ぶりの優勝。鞍上のM.デムーロ騎手はJRA・G1競走6勝と最多タイを記録した。
「デムーロ買っておけば当たる」が、今や冗談でも何でもない「事実」になりつつある。G1では10戦連続馬券圏内という離れ業で、完全に競馬界の中心だ。今週のジャパンCではまだどの馬に騎乗するのか明らかではないが、どの馬であろうと無条件に人気を得てしまうだろう。
そんなデムーロ騎手に、いろいろな意味で「またも」やられてしまったのがエアスピネル(牡4 栗東・笹田厩舎)だ。
エアスピネルはR.ムーア騎手を背に好位をリズムよく走った。直線では馬場の真ん中から鋭い伸びを見せ、残り200mで先頭へ。一時は突き抜けるほどの走りを見せたが、ゴール手前でペルシアンナイトの強襲に屈し2着。相変わらずの安定したレースぶりは見せたが、またも悲願には届かなかった。
力は見せていた。前走富士Sで見せたような早め先頭から押し切る競馬を披露し、他馬との差を見せつけた。レーヌミノルやサングレーザーなど食い下がるライバルも競り落としている。手応えを見てエアスピネルの通ったルートを選択し、最後の最後差し切ったペルシアンナイトの勝利は、やはりデムーロ騎手の手腕によるところが大きい。エアスピネルも最大限力を発揮したといえる。
ただ、今回のレースはエアスピネルにとってこれまでで最大のチャンスだったことは否定できず、自身の持ちうる力を発揮しての2着は、やはり陣営もショックだったに違いない。これによって、またもこの馬の戴冠は遠くなることとなった。また、エアスピネルは2歳時の朝日杯でもベストなレースを見せながらリオンディーズに敗退。この時も鞍上はM.デムーロだった。