昨年の覇者は春のグランプリホース・ラブリーデイ。今週末の鳴尾記念(G3)に宝塚記念を睨む猛者が集結
週末から夏の阪神競馬が開幕し、4日には春のグランプリ宝塚記念(G1)へ向けた戦いとなる鳴尾記念(G3)が開催される。
その開催時期やグレード、さらには存在意義までころころと変わっている鳴尾記念だけに、なかなかファンの間では定着しないようだが、昨年はラブリーデイがこのレースを制して宝塚記念も勝ったように、軽視していると痛い目を見る前哨戦だ。
中心は昨年の天皇賞・秋(G1)で、ラブリーデイに0.1秒差まで迫ったステファノス(牡5歳、栗東・藤原厩舎)か。
昨年の天皇賞・秋ではラブリーデイと半馬身差の2着。他にも香港のクイーンエリザベス2世C(G1)でも2着に入るなど、その能力はG1級。陣営も「56㎏で出られるG3なら」と期待を寄せている。
昨年の香港C(G1)以来の出走となるが、コンディションさえ万全であればここでは負けられない存在だ。鞍上は戸崎圭太騎手。
伸び盛りのヤマカツエース(牡4歳、栗東・池添兼厩舎)はここだけでなく、春のグランプリも見据えられるだけの逸材だ。
3歳の頃はマイルを中心に活躍しニュージーランドT(G2)を勝つと、年末年始に掛けて2000mの福島記念(G3)と中山金杯(G3)を連勝。距離を伸ばしたことで新味が出て、中距離戦線に名乗りを上げた。
今年になって古馬重賞を勝ちまくっている強い4歳世代でも、重賞3勝は誇れる実績。2月の京都記念(G2)5着以来の競馬となるが、天皇賞・春(G1)に見向きもしなかった姿勢は、むしろ春のグランプリに向けた気持ちを感じる。鞍上は池添謙一騎手。
古豪のサトノノブレス(牡6歳、栗東・池江厩舎)もここでは格上の存在だ。
今年で6歳になるが、3月には中日新聞杯(G3)を制してタイトルを上積み。老いてますます盛ん、熟練を迎えた競馬に安定感が出てきた印象さえある。前走の天皇賞・春(G1)は11着に大敗したが、池江調教師も「距離が長かった」と認めている。今回は鞍上を、中日新聞杯を勝った川田将雅騎手に戻して巻き返しを狙う。