JRA矢作芳人調教師が東京大賞典「終焉」に危機感……中央競馬の12月28日固定開催により、地方競馬「年末の祭典」が消滅の危機へ
そういった中で矢作調教師が特に気に掛けているのは、地方競馬の「年末の祭典」となる東京大賞典への影響だ。
JRAの有馬記念と共に、地方競馬の1年の総決算レースとしてファンに親しまれている東京大賞典。その創設は1955年と、実は有馬記念よりも長い歴史を持っている。これまで年末の2大レースとして共存を果たしてきた有馬記念と東京大賞典だが、ここにホープフルSが参入したことによって、そのパワーバランスが崩壊する可能性が高まっているのだ。
矢作調教師は東京大賞典の売上は、有馬記念(JRA開催最終日)との日程の兼ね合いによって上下していることを指摘。間隔が長いほど売り上げが伸び、短いほど苦戦していると分析している。
その観点で考察すると、JRAの12月28日の固定開催は最悪だ。何故なら、東京大賞典は1999年以降、一貫して12月29日に固定して開催されており、その間隔はわずか1日。矢作調教師が、今後の東京大賞典の苦戦を懸念するのも当然といえるだろう。
「お父さんが大井競馬で調教師をされていたこともあって、矢作先生は大井競馬場の厩舎で育ったそうです。そんな先生からすれば、大井の看板レース・東京大賞典のことは、やはり気になるでしょうね。
近年、馬券のネット購入も普及して売上が回復している地方競馬ですが、中央競馬JRAとの規模や経済力の差は明らか。結局、JRAという日本競馬の”幹”が動くことによって、”枝葉”の地方競馬は思った以上に大きな影響を受けているのが現状です。
今回の件にしてもJRAが28日開催を頑なに続行するようなら、大井競馬は何らかの対策に迫られる可能性もあるでしょうね。29日の固定開催の断念はもちろんのこと、あまり売り上げに影響が出るようなら、今度は東京大賞典の方も、有馬記念のように年末の総決算でなくなってしまうこともあり得ますよ」(同)