JRA2歳女王ラッキーライラック「凱旋門賞挑戦」プランに賛否? 「取らぬ狸」危険も陣営には「異様な自信」
昨年の阪神JFを制し、無敗の2歳女王に君臨したラッキーライラック(牝2 栗東・松永厩舎)に「凱旋門賞挑戦」のプランが浮上している。
一部報道によれば「凱旋門賞の登録締め切りがゴールデンウイーク明けくらいになりますから。桜花賞に勝っていたら、そういう話も出てくるでしょう」とサンデーレーシングの吉田俊介氏が語ったということで、春の戦績次第でフランスの大舞台を見据えるとのことだ。
ラッキーライラックは2012年、2013年の凱旋門賞で連続2着の実績を持つオルフェーヴルの初年度産駒にして、初のG1ホース。父に初めてのG1勝利をプレゼントしただけでなく父の「リベンジ」までも果たすとなれば、これほどの「孝行娘」はいないだろう。
3歳牝馬での挑戦ということは、斤量は54.5キロ。古馬牡馬で59.5キロと「5キロ差」があり、大きなアドバンテージを有することになる。近年の凱旋門賞は明らかな「牝馬優勢」が続いていることからも、ラッキーライラックが挑戦する意義はあるかもしれない。
ただ、「それほどの馬なのか」という疑問はまだ拭えていない。
「無敗で2歳女王になったのですから期待が大きくなるのは当然ですが、『まずは二冠を取ってから』という声は多いですね。今年の牝馬クラシック路線はいまだ『混戦模様』という見方が強いですし、ラッキーライラックが圧倒的な存在かといえば、まだわかりません。3歳は成長力でいくらでも逆転が可能なのも事実です。ジェンティルドンナやブエナビスタなど歴代の名牝が持つ雰囲気は当然ながらまだありませんしね。昨秋にはソウルスターリングが『英国遠征』を表明するも、その後3戦は鳴かず飛ばず、ということもありました。
また、今年の凱旋門賞には、昨年王者のエネイブル(牝4 英国)も連覇を目指して出走する可能性大。近年の同レースの中でも屈指の圧勝劇を見せており、完全に『欧州最強馬』として君臨しています。いずれにせよ厳しい戦いになるのは避けられないでしょう」(競馬ライター)