JRA「親子調教師」の悲喜こもごも……「所属馬問題解消」も「スタッフのイメージ」根強く?
2月末で厩舎解散となる美浦の池上昌弘厩舎。騎手時代にはトウショウボーイで皐月賞を制し、調教師としても450勝以上を上げた名伯楽である。
今年も何人かの調教師が定年、もしくはそれぞれの理由で厩舎解散・引退を迎えることとなるが、去る者の残したものを「受け継ぐ人」がいることは、何も競馬界に限った話ではない。
池上弘厩舎にとっては、受け継ぐのは2015年から厩舎を経営している息子の池上昌和厩舎といえる。父からのバトンを受け継ぐというわけだが……。
池上和厩舎は、以前から「悩み」を抱えていたという。
「なかなか馬が集まらない、と以前からこぼしていたようです。まだ開業4年目の『新参者』の厩舎としては、特段のパイプがない限り初期に馬を集めるのは簡単ではないですからね。
今年デビューする調教師数人の中でも、武幸四郎厩舎に特に有力馬が集中するという話がありますが、スタートが”公平”とは限らない、ということですね」(現場記者)
当然だが、生き残りを懸ける戦いは競走馬だけでなくそれに携わる人間たちも同じ。池上和調教師も、いうまでもなくその荒波の中にいるようである。