【徹底考察】エプソムC(G3) フルーキー「驚異の安定感はここでも『堅軸』!? 気になるのは斤量58㎏と鞍上の『気分』か?」

【血統診断】

 父Redoute’s Choice(リダウツチョイス)は豪州で何度もリーディングサイアーに輝いているオーストラリアを代表する種牡馬。日本での活躍馬は本馬くらいのものだが、息子のスニッツェルが日本にシャトルされ、アーリントンCを勝ったヤングマンパワーなどを輩出している。

 基本的なイメージは祖父デインヒルの影響が強く、スピードに勝ったマイラーを多く出す。本馬のようにサンデーサイレンスとの配合であれば、2000mくらいまでは守備範囲になる。菊花賞6着の実績があるが勝ち馬からは10馬身ほど離されており、何よりもこれが本馬にとって唯一の掲示板外である。やはりマイルから2000mあたりがベストになるようだ。

 また母のサンデースマイルIIこそイギリスで4戦1勝だったが、祖母のセンセーションはファルマスSなどの重賞勝ち馬で、2代母のOutstandinglyはBCジュベナイルFの勝ち馬と母系の血は良血といえるレベルだ。

≪結論≫

『考察』の通り、フルーキーにとって東京の1800mはベストに近い舞台設定だ。もともと比類なき安定感を誇る本馬だが、1800mになるとさらに安定感を増している感さえある。本来であれば、述べることも特にない堅実な軸馬だろう。

 だが、やはり58㎏の斤量の影響は決して小さくない。そして、勝ち味に遅いこの馬の特徴を考慮すると、普通に4、5着に敗退するケースも考えられるので厄介だ。

 そして、もう一つ気掛かりなのは鞍上のM.デムーロ騎手。本来なら何の不足もない名手だが、「日本で最も勝ちたいレース」と公言していた桜花賞を勝利してから、パッタリと重賞勝利が止まっている。2月の京都記念を勝ってから、桜花賞までの約2カ月で重賞7勝という破竹の勢いが見る影もなくなっている様は、まさに浮き沈みの激しいイタリアンといったところか。

 今のデムーロ騎手なら良くも悪くも、特に力の入る重賞でないここをあっさり取りこぼしてしまっても驚けない。
(監修=下田照雄(栗東担当))

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