JRA藤沢和雄調教師「大器」オブセッションは皐月賞回避も!?「4強激突」の弥生賞(G2)でもピリピリ感なし……藤沢流の「真意」は?
ただダノンプレミアム、ワグネリアン、ジャンダルムといった「4強」を形成するライバルたちの中で、オブセッションには3頭とは異なる事情がある。それは述べるまでもなく、クラシック出走へ向けて「賞金」もしくは「優先出走権」の確保が必須ということだ。
すでに2歳重賞を勝ち、クラシック出走をほぼ確実にしている3頭に比べ、オブセッションはまだ500万下を勝っているだけ。もしもここで4着以下に敗れると、皐月賞への出走は相当厳しいものになる。そういった意味では「4強」を形成するライバルたちの中で、最も仕上げてくる可能性が高いということだろう。
また、オブセッションだけが遠征を必要としない関東馬であることも大きい。「4強」の実力差そのものはまだ不透明ながら、各馬の「背景」を考察すると、自ずとここは本馬にアドバンテージがあるようにも思えるが……。関東の記者に聞くと「そうでもない」という意外な答えが返ってきた。
「あくまで現時点での話ですが、藤沢先生がどこまで本気で皐月賞を狙っているのかが、ちょっと見えませんね。というのも、オブセッションほどの有力候補のトライアル出走が控えているのに、あまりピリピリした雰囲気が感じられないんですよ。
本馬はまだ、昨年から見せていた舌を出すクセが直っていないんですが、先生は『そんなの関係ないよ』とまったく意に介していません。もう本番に向けた戦いが始まる中で『今はまだ自由にノビノビ走らせて大きく育てたい』という感じなんですよね。相当惚れ込んでいることは確かなんですが、やはり大事に行きたい気持ちが強いのかも……。
これは個人的な印象ですが、仮にここで3着以内に入って皐月賞の優先出走権をゲットしても、負けたのなら皐月賞を回避してダービー1本に絞るかも。もともと『中山向きの馬ではない』というのが陣営の見解ですし、無理をしない可能性はありますね」(競馬記者)
記者がそう話すのも、藤沢和雄厩舎といえば皐月賞と日本ダービーで力の入れ方が大きく異なる厩舎として有名だからだ。昨年のレイデオロも一頓挫あったことで、皐月賞を”叩き台”にしてダービーを制したことは記憶に新しい。