【中山牝馬S(G3)展望】波乱の要素を多分に含むハンデ戦!トリッキーな中山コースを制するのは勢いか実績か?
10日(土)の中山競馬場では、メインレースに牝馬限定重賞の中山牝馬S(G3)が開催される。過去10年の成績では1番人気の馬は1勝しかしておらず波乱傾向は強いが、今年の出走予定馬にも抜けた人気馬は不在。例年同様に難解なレースとなりそうだ。5月に控える春の女王決定戦・ヴィクトリアマイル(G1)へ向けての前哨戦というべきレースに出走を予定している有力馬を紹介する。
愛知杯(G3)で初めての重賞制覇を成し遂げたエテルナミノル(牝5、栗東・本田厩舎)は勢いに乗って重賞連勝を目指す。前走の愛知杯(G3)では不慣れな距離でのレースであったが、好位から競馬を進めると先行馬が崩れる厳しい展開の中で早目に抜け出して先頭に立つと、後続の追い上げをしのぎ切った。それまでは1600~1800mのレースでの活躍が目立つ馬だっただけに、2000mの距離に対応しての勝利は今後に向けても大きな価値がありそうだ。今回は斤量が56㎏での出走となり、ハンデに恵まれた前走と比べれば難しいレースとなりそうだが、距離短縮となることは間違いなく好材料。得意の距離に戻っての重賞連勝で一気に春の女王の座を目指す。
勝ち星に恵まれていないがフロンテアクイーン(牝5、美浦・国枝厩舎)は3戦連続の2着と調子自体は悪くなさそう。前走のターコイズS(G3)には格上挑戦での出走となったが3番人気となっているように、その実力は誰もが認めるところ。レースでは直線の坂下から加速すると一旦は先頭に立ち勝利を掴んだかに見えたが、同様に伸びてきたミスパンテールにクビ差で勝利を奪われた。それでも今年の京都牝馬S(G3)を勝利し重賞を連勝しているミスパンテールと差のない競馬ができていたのだから、ここでの実力は上位だろう。なかなか勝ち切れない「シルバーコレクター」になりつつあるが、ここから勝ち星を積み重ねて行きたいところだろう。
トーセンビクトリー(牝6、栗東・角居厩舎)は連覇を目指し気合が入る1戦となりそうだ。良血だけに常に重賞制覇を期待されていたが、昨年初めての重賞制覇となった思い出深いレース。前走のAJCC(G2)では実績ある牡馬に交じってのレースとなり結果は5着となったが、直線では追い上げを見せて上り最速タイを記録しているだけに内容は上々。1年間勝ち星からは遠ざかっているが、牝馬限定戦となれば久しぶりの勝利も十分に可能なはずだ。また、血統的にも中山競馬場での好走歴が多い一族だけに、実績があるここでのレースぶりには注目したい。