JRA勢の南関東クラシック「侵略」に待ったなし……中央の「大器」プロミストリープによる”異次元”の桜花賞制覇に地方競馬関係者から悲鳴
もっともバルダッサーレやキャプテンキング、そしてプロミストリープの陣営からすれば、ルールに抵触するようなことは何もしていない。正式な手続きを踏み、ルールを厳守した上での参戦である。
つまり、これらは見方を変えれば、紛れもない「陣営の戦略的勝利」といえる。極論すれば「南関東の馬が弱いから悪い」という言い方もできるということだ。
しかし、「このままでいいのか」と問われると、間違いなく「好ましくはない」と述べざるを得ないだろう。地方の競馬関係者やファンは、毎年のクラシック路線を見守りながらも「中央からいつ、どの馬が移籍してくるのか」と、半ば絶望的な気持ちで過ごすということにもなりかねない。さすがに、これでは興醒めもいいところである。
その上で本件の最大の問題点は、こういった中央馬の”電撃参戦”を抑制する主だった「ルール」が存在しないことだ。
例えば、先述したサッカーの場合、そういった状況を未然に防ぐため「ユースからA代表までの公式戦いずれかに『一度でも』出場した選手は、他国の国籍を取得しても他国の代表にはなれない」「代表になるためには、その国に5年の居住歴を持たなければならない」など厳しいルールを設けている。
これは実際にカタール代表などによって、多数の外国人選手を帰化させて代表チームの強化を図るという事例があったからだ。
したがって南関東の競馬主催者、延いてはNAR(地方競馬全国協会)は、早急にこの問題について何らかの対策を練るべきではないだろうか。無論、それには地方競馬側だけでなく、中央競馬側の理解と協力も不可欠といえるだろう。