JRA「サンデーサイレンスの血」が英・米G1を席巻の奇跡! ディープインパクト&ハーツクライ「ライバル関係」は世界規模に?
遡ること13年前の有馬記念。当時無敵を誇ったディープインパクトに土を付けたのは、ハーツクライだった。翌年、ジャパンカップでディープインパクトはハーツクライに雪辱するも、その年に二頭とも引退をする。以後、このライバル同士である二頭は種牡馬として競い合い、多くの産駒を誕生させて国内のグレードレースを席巻している。今は亡きサンデーサイレンスがこの世に送り込んだ最高傑作2頭。そして、今度は海外でこの2頭の産駒の活躍を耳にする。
「現地時間の5/5、アメリカのチャーチルダウンズ競馬場で、ターフクラシックステークス(G1•芝1800m)に日本生産馬のヨシダ(牡4 ウィリアム•モット厩舎)が出走してきました。ハーツクライ産駒です。先行集団に取り付くと直線は抜け出して、そのまま後続を振り切り優勝。初G1勝利となりました。重馬場での勝利で、勝ちタイム1分54秒64。2着にはブリーダーズカップ2着のビーチパトロール、3着は重賞連勝しているシンクロニーが入り、それを押さえての優勝ですから、かなり価値が高いものです」(海外競馬ライター)
ハーツクライ産駒が海外G1優勝という時代になったのには驚く。しかもそれだけではない。
「同日、イギリスのニューマーケット競馬場でクラシック第一冠目•英2000ギニー(G1•芝1600)で行われ、同じく日本生産馬のサクソンウォリアー(牡3 エイダン•オブライエン厩舎)が出走してきました。こちらはディープインパクト産駒です。父のようにサクソンウォリアーは中団より鋭く抜け出して完勝しました。無傷の4連勝でG1制覇。日本で生産された馬としては初の英クラシック制覇となりました。」(同ライター)
今度は、イギリスでディープインパクト産駒。種牡馬となったかつてのライバルは、ここでも張り合うつもりなのだろうか。
では、その優勝した2頭の戦績を辿ってみる。
まずハーツクライ産駒のヨシダだが、2015年、日本最大のサラブレッド市場「セレクトセール」に生産者のノーザンファームより上場され、9400万円で落札された。母ヒルダズパッションは、現役時代に2011年アメリカのG1•バレリーナステークス(ダート1400m)など5重賞を制している。
デビューは2016年11月アケダクトの芝1600mで2着。2戦目は翌年4月、キーンランドの芝1600mを4馬身差で初勝利。つづくジェームスマーフィーステークス(準重賞•芝1600m)も4馬身差をつけて快勝。そして、ベルモントダービー(G1•芝2000m)に出走し1番人気になるも5着に敗れる。ホールオブフェイムステークス(G2•芝1700m)でも1番人気になったが、競り負けて悔しい2着。さらに芝1800mで行われたサラナックステークスも2着。そしてデビューから7戦目の10月、3歳馬重賞のヒルプリンスステークス(G3•芝1800m)。直線の追い比べを制し初重賞制覇を達成した。
そして今回年明け初戦の5月、初G1制覇を果たした。