日本”ダービー”ってなに?JRA以外の地方ダービー、武豊の勝利数、世界のダービー、競馬以外の「ダービーあれこれ」
以後ダービーとオークスは世界中に広まり、日本では1932年に第一回日本ダービーが行われ、今年で85回目を迎える。なお正式名称は「東京優駿」で副称が「日本ダービー」である。またこの東京優駿(日本ダービー)はJRA(日本中央競馬会)が開催するレースで、日本全国にある地方競馬場ではそれぞれのダービーがある。南関競馬では東京ダービー、ばんえい競馬ではばんえいダービー、名古屋競馬場では東海ダービーなどの名称で定着している。
またフランス、ドイツ、イタリア、アイルランドといったヨーロッパの競馬中心地以外にも、ロシア、オーストリア、スロバキアなどにも競馬があり、ダービーがある。そしてヨーロッパだけでなく、南アフリカ、ドバイ、トルコ、インド、韓国、香港、さらにジャマイカやケニアなどでもダービーが行われているのだから、競馬は世界中にあるのだとあらためて感じさせる。
競馬のダービーでもっとも権威があるのはやはりイギリスのエプソムダービーで、それに次ぐのは1875年に始まったアメリカのケンタッキーダービーだろう。エプソムダービーは創設された経緯から貴族や富裕者向けとされているが、ケンタッキーダービーは庶民にも広まっており、テレビの視聴率も高いようだ。なおエプソムダービーもケンタッキーダービーも過去に日本馬の勝利はない。
また競輪の競輪ダービー(日本選手権競輪)、ボートレースのボートレースダービー(全日本選手権競走)などは競馬のダービーをなぞって呼ばれているもので、特別深い意味はなさそうだ。
海外を中心にサッカーなどで使用されるダービーにはそれぞれ意味がある。俗に「ダービーマッチ」という表現で使われるこの言葉は、共通の条件を持つチーム同士の試合や何らかの対立に端を発した試合のことを指すという。この言葉が誕生したのはイングランドだと言われているが、今や世界中で行われておりその定義はあいまい。中でもわかりやすいのは「同じ地域」を本拠地とするチーム同士の試合だろう。
特にサッカーではイタリアのインテル対ACミランの試合を「ミラノダービー」と呼んだり、ローマ対ラツィオの試合を「ローマダービー」と呼び、日本でも馴染み深い。また日本のJリーグでも、同じ埼玉県さいたま市をホームとする浦和レッズ対大宮アルディージャの試合を「さいたまダービー」と呼んでおり、多くのファンに知られている。ちなみにこのダービーマッチは競馬のダービーを語源としたものではなく、イングランドにあるダービーという町で行われたフットボールの試合がもとになっているようだ。
このようにダービーは競馬という枠を飛び越え、今や多くのスポーツ、そして文化として定着している。
いよいよ週末に迫った日本ダービー。ダノンプレミアムが強さを見せるのか、武豊が平成最後の日本ダービーを締めくくるのか、昨年に続くルメールの連覇はあるのか。この大一番はぜひライブで観戦し、その迫力と感動を体感していただきたい。