JRA競馬関係者の事件簿アレコレ。ダービージョッキー、競馬関係者達の黒歴史を振り返る。

 春のG1レースも大きく盛り上がり、いよいよ安田記念という時にヤフートップニュースにもなった競馬関係者の逮捕。厩舎関係者同士のいざこざが事の発端のようだが、トレセンはそれほど騒ぎにはなっていないという。これはG1レースで盛り上がっている最中に、こんなニュースで競馬にマイナスイメージを持ってほしくないという関係者の心情もあるだろう。しかしながら、競馬関係者同士のトラブルというのは決して珍しくない。厩務員同士、騎手同士、調教師同士、あるいは調教師と騎手など、勝負の世界であるだけに、全員が全員仲良しなんてことはあり得ないのだ。

 今回そんな関係者同士のトラブルが「逮捕」という形で明るみに出たのは、当人同士だけではなく被害を受けたのが競走馬だったからだろう。もともと調教師も厩務員も調教助手も、馬主から馬を預かっている立場。その助手が競走馬に危害を加えようとしたというのであれば、すんなり収まる話ではない。警察沙汰になるのも当然といえよう。

 この事件に限らず、過去を探れば競馬関係者が起こした事件やトラブルは少なくない。今回のように馬も被害となったケースとして思い出すのは「フジヤマハクザン発信機事件」だろう。

 2001年7月田原厩舎で管理されていたフジヤマハクザンの耳に、馬主や担当厩務員に相談もなく田原調教師が独断で発信機を付けた。この事件は田原調教師と同馬を担当していた厩務員の確執が根底にあり、ある意味今回の事件と似通った部分がある。しかし肝心の発信機は田原調教師が破棄してしまい、その性能や効果は確認できず。競走能力の影響等は不明だが、JRA(日本中央競馬会)からは過怠金50万円の処分を受けている。結局同馬はJRAではデビューできず地方競馬に移籍している。

 この田原調教師は騎手時代に1000勝をあげ、トウカイテイオーやマヤノトップガンなどの名馬で記憶に残る騎乗を見せた名騎手だった。しかし騎手時代にスポーツニッポンの競馬記者に暴力をふるい、鞭(ステッキ)を当てて前歯を折るなどの重傷を与えたこともある。立派な傷害事件であるのだが、最終的に大ごとにはならなかった。しかし調教師となってからの田原調教師はトラブル続き。前述の発信機装着事件の3か月後には、羽田空港の手荷物検査で刃渡り約19㎝の大型ナイフを機内に持ち込もうとして銃刀法違反の現行犯で逮捕。その際に荷物から注射器などが見つかり、覚せい剤取締法違反でも逮捕された。翌年2月には懲役2年、執行猶予3年(覚せい剤取締法及び銃刀法違反)の判決が確定、それを受けてJRAは調教師免許のはく奪および15年間の競馬界接触禁止という処分を決定している。その後も薬物や傷害などで何度も逮捕され、JRAでは無期限の関与停止処分に更新となっている。

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