武豊騎手が「異常馬場」に怒り!? JRAの主張と食い違う騎手の主張「高速馬場=故障しやすい」は錯覚なのか
これは即ち、高速馬場が、競走馬の健康面……つまりは「故障のリスクを上げている」という発言に他ならない。次の文脈で、エプソムC(G3)で約2年ぶりに復帰するスマートオーディンの脚元を気遣っていることからも、間違いないといえるだろう。
馬場の高速化が顕著な東京コースを中心に「高速馬場が、競走馬の故障率に影響しているのか、否か」というテーマは、ここ数年ずっと議論されてきた。
多くの競馬ファンは「高速馬場=固い馬場=故障のリスクが高い」と認識しており、実際に今年の日本ダービー(G1)に出走したキタノコマンドールが右前脚浅屈腱炎で1年以上の長期休養となった際も、今開催の東京の高速馬場を非難する声は小さくなかった。
しかしその一方、『netkeiba.com』上の連載コラム『東奈緒美・赤見千尋のおじゃ馬します!』に掲載されたJRA競走馬総合研究所・高橋敏之主任研究役のインタビューでは、高速馬場と故障の関係性は「ほとんどない」との見解が示されている。
さらにJRAの馬場造園課によると「高速馬場=固い馬場」という認識は錯覚であり、エアレーションを中心とした技術導入により「芝が良質な状態を保っているからこそタイムが出やすい」と主張している。
「これらは専門家の主張なので尊重されるべきですが、その一方でレースに騎乗している騎手たちは高速馬場を日常的に『固い馬場』と称していますし、レース当日には現場からも『馬場が固い』という話はよく耳にします。