JRA「女性斤量改定」で藤田菜七子に光も……現状の「厳しさ」と名調教師の危惧、そして希望
通算勝利数が31勝となった藤田菜七子騎手。G1レースへの騎乗資格を得たため、すでに『初G1はどのレースになるのか?』なども盛んに予想されている。
菜七子騎手が大舞台に登場する姿に思いを馳せる人も大勢いるようだ。しかし、通算31勝は喜ばしいことだけでなく、今後彼女が窮地に陥る可能性さえも秘めている”諸刃の剣”になりかねないと見る人もいるという。
「免許の通算取得期間が5年未満で、かつ勝利数が100回以下の騎手は見習騎手と呼ばれ、減量制度がとられています。これまで菜七子騎手は3kg減と最も恵まれた状況でしたが、先週ついに31勝を超えたため、今後は2kg減になります。
俗に斤量1kgで1馬身ともいわれています。これまで菜七子騎手は斤量のアドバンテージを活かして、勝利を上げることが多かったので、これからは苦戦を強いられる可能性も十分あります」(競馬記者)
この菜七子騎手の斤量増加を懸念している関係者も多い。栗東の名調教師・矢作芳人師もそのひとりで、『サンケイスポーツ』で連載している『信は力なり』でこのことに言及している。
矢作師は菜七子騎手をデビュー当時から見守っており、「もっともっと活躍して、ファンを魅了してほしいと願っている」と綴った。そして、「この盛り上がりを、彼女だけの一時のブームにしてはならない」として、すでにフランスでは導入されている女性騎手にだけ適用される減量制度を日本でも取り入れるべきだと訴えている。