JRA名門・松田国英厩舎152位の大不振……「身内いざこざ」助手「未成年売春」逮捕から厩舎内のイザコザ止まず「空中分解」の危機
実際に、現在の松田国厩舎には3歳馬が16頭在籍しているが、勝利を上げたのは5頭のみ。それもタイムフライヤーを除く4頭は、すべて1勝馬という状況だ。この春まで、どこの厩舎でも最も勝ち星が期待できた3歳馬が事実上の”壊滅状態”では、現状の成績にも納得せざるを得ない。
凋落の象徴的な存在として、3歳大将格のタイムフライヤーが挙げられる。この2歳王者が昨年のホープフルSを勝った際には、鞍上のC.デムーロ騎手が「身体に幼い所がある」と言い、松田国調教師も「良くなるのはダービーの頃」と、大きな伸びしろを感じさせていた。
だが、その後は体調不良もあって成績は急降下。連敗を重ね、見る影もなく11着に大敗した日本ダービーでは、単勝110倍とわずか半年前のG1馬とは思えない低評価だった。
そんな松田国厩舎の”内情”の問題が表面化したのは2014年の4月、厩舎の調教助手として活躍していた渡辺勉容疑者(当時)が、未成年相手の売春行為をしたとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕された件に他ならないだろう。
クロフネや重賞6勝のブロードアピールといった名馬を手掛けた腕利きによる、まさかの未成年の売春に加え、最近では”身内絡み”のイザコザで金銭トラブルまであったとすれば、厩舎の意思統一が空中分解を引き起こすのも必然か。
厩舎はよく一般的な会社に例えられるが、社内のイザコザから有能な社員が危機感を募らせて退職、そのまま戦力低下で業績不振に陥るのは、典型的な倒産のパターンといえるだろう。3年後の2021年2月には定年により解散となる松田国厩舎だが、「3年持つのか」という不安が募っている。