【クイーンS(G3)展望】ソウルスターリングVSディアドラ、3度目の直接対決の結果は如何に!?札幌で夏の女王となるのはどの馬だ?
今週から開幕となる札幌競馬場のメインレースはクイーンS(G3)が行われる。今年の登録は11頭と少ないが楽しみなメンバーが揃った。その中でも特に注目したいのが昨年の牝馬クラシックを制しているG1馬2頭の直接対決だ。
昨年のオークス馬ソウルスターリング(牝4、美浦・藤沢厩舎)にとっては復活を目指すレースとなる。これまで阪神JF(G1)とオークス(G1)を制しており実積で言えば最上位の存在だが、1年以上勝利から遠ざかっている。昨年の秋の負けに関しては、3歳牝馬ながら古馬との対戦という厳しいローテーションを選択しため仕方ない面もあったが、今年に入ってからの阪神牝馬S(G2)、ヴィクトリアマイル(G1)でも結果を残せなかったことで「早熟だったのでは」という見方まで出ている状況。それでも前走のヴィクトリアマイル(G1)は7着ながらも直線では末脚を伸ばし0.4秒差と見せ場を作っているように、復調気配は見せている。また、今回の舞台となる札幌競馬場の芝1800m戦はデビュー戦で初勝利を飾った相性の良いコースで、久しぶりの勝利に期待が持てそうだ。今後に向けての重要なレースで結果を残し、再び以前のような強い姿を取り戻すことはできるだろうか。
海外挑戦でも結果を残してきたディアドラ(牝4、栗東・橋田厩舎)は昨年一度も勝てなかった相手へのリベンジを狙う。昨年の桜花賞(G1)、オークス(G1)では及ばなかったが、ソウルスターリングが不在となった秋華賞(G1)を勝利。クラシックでは秋華賞(G1)のみの勝利に終わったがクラシックの3戦全てで上がり最速のタイムを記録しているように、瞬発力には世代屈指のものがある。前走のドバイターフ(G1)は初めての海外遠征となったが、持ち味を存分に発揮し3着同着の好成績を収めている。久しぶりの実戦となるレース、強力なライバルの存在と難しいレースになりそうだが、昨秋からの充実度では上回っており、逆転があっても何ら不思議はない。ソウルスターリングの主戦騎手だったルメール騎手が前走に引き続き騎乗する予定となっているが、この馬に大きな可能性を感じているのかもしれない。
4戦連続2着のフロンテアクイーン(牝5、美浦・国枝厩舎)の安定感が際立っている。ここまで2着が8回もあり、その2着の中には重賞でのものが4回。「最強の2勝牝馬」といっても過言ではなく、重賞制覇は目前だろう。先行して好位に取り付く競馬、中団からの差す競馬が可能で脚質に自在性があるのが強み。展開面の影響を受けにくいことが、勝ち切れないながらも安定したレースに繋がっているようだ。北海道での夏競馬は今回が初めてとなり、洋芝への適性が問われるレースとなるが、G1馬2頭に対抗できる能力は十分に持っているはずだ。秋にいい形で向かうためにも悲願の重賞制覇を達成したいところだろう。