JRA秋山真一郎騎手「11年」経っても悔しさ消えず……R.ムーア、藤田伸二が認めた「職人」の騎手人生が分かれた「大きなポイント」とは
5日に開催される小倉記念(G3)で「JRA全10場重賞制覇」の大記録に挑む蛯名正義騎手。2003年にリーチを掛けて以来、これで8度目の挑戦となるが、前身である国営競馬時代に中京競馬場の開場によって全10場が整備された1952年以来、5名しか達成していない。
現役ではわずか3名。あらゆる記録を持つ武豊騎手はもちろんのこと、武豊に並ぶ天才といわれる関東の大御所・横山典弘騎手。だが、あと1人は「思わぬ」と言っては失礼だが、意外な騎手だ。
「秋山真一郎騎手ですね。昨年、タツゴウゲキで新潟記念(G3)を勝ってから、今年の福島牝馬S(G3)をキンショーユキヒメで勝って、あっさりと達成しました。決してG1をバンバン勝つ騎手ではないですが、これは地味に凄い記録ですよ」(競馬ライター)
すぐにでも出来そうで、なかなか出来ない記録……実は冒頭の蛯名騎手だけでなく、福永祐一や川田将雅、戸崎圭太に岩田康誠といった一線級の騎手もリーチが掛かったまま、あと一歩のところで手が届いていない。そういった中で、中堅の秋山騎手が達成しているのは、なかなか興味深い事実だ。
「あまり多くを語ろうとしない寡黙な職人タイプで、ムチもビシバシ叩く方ではないので『追えない騎手』という声もありますが、騎乗技術はもちろん、フォームも綺麗で、騎手内での評価は相当に高い。
あのR.ムーア騎手も『武豊騎手に次ぐ存在』として秋山騎手の名を挙げていますし、元JRA騎手の藤田伸二さんも秋山騎手の騎乗を高く評価する人物の1人です」(同)
そんな秋山騎手が今振り返っても「悔しい」と語るレースが、2007年のオークス(G1)だ。