JRA秋山真一郎騎手「11年」経っても悔しさ消えず……R.ムーア、藤田伸二が認めた「職人」の騎手人生が分かれた「大きなポイント」とは
1番人気のベッラレイアに騎乗していた秋山騎手は、最後の直線で一時は先頭に躍り出たが、最後の最後でローブデコルテに差し切りを許し、ハナ差の惜敗……。待望のG1初制覇を逃し、秋山騎手も「騎手人生で一番大きなポイント」と語る痛恨のレースだ。
元から「馬に如何に負担を掛けないか」をテーマに騎乗している秋山騎手だが、あの時は「馬の邪魔をしないように心掛けて乗っているはずが、あの時は邪魔しかしていない」とG1を勝ちたい気持ちと、1番人気のプレッシャーに負けてしまった格好。
あれから11年経った今振り返っても、なお悔しい気持ちが消えていないそうだ。
「秋山騎手はその後、カレンブラックヒルのNHKマイルC(G1)でG1初制覇。こちらも1番人気での勝利でしたが『ベッラレイアの時の経験が活きた』と語っていました。あれで少しは溜飲が下がったのかも。
重賞を勝つチャンスも多い方ではありませんが、少ないチャンスをものにして毎年のように重賞を勝っていることは立派ですね。先週のアイビスサマーダッシュ(G3)も見事な騎乗でした」(同)
先週のアイビスサマーダッシュはダイメイプリンセスで1番人気に応えての勝利だったが、実は戦前は「持ち時計が足りない気がする」と自信なさ気だったとか。しかし、終わってみれば1馬身1/4差の完勝。秋山騎手も「強かったわ。手応えは抜群だったし、抜け出す時の脚が凄かった」と大きな手応えを感じた様子だった。
ダイメイプリンセスは今後、北九州記念(G3)に出走するかは流動的だが、秋の大目標はもちろんスプリンターズS(G1)だ。
「これからはコーナーのある1200mのレースも克服していきたいと思います」と主戦騎手が語った通り、G1制覇に向けて1200mの克服は必須。2012年以来となるG1・3勝目に向け、秋山騎手も腕の見せ所に違いない。