JRA天皇賞・秋(G1)アルアイン「最大の弱点」克服? オールカマーで前進はあったものの……
国内復帰戦となるオールカマー(G2)で、勝ち馬レイデオロにクビ差惜敗と存在感を示したアルアイン(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎)。好走はすれども、昨年の皐月賞以来勝ち星から見放されている本馬が、復権をかけて28日東京競馬場で開催される天皇賞・秋(G1)に挑む。
春にアルアインは、京都記念(G2)2着、大阪杯(G1)3着と勝利まであと一歩に迫る好走を見せた。だがその後、香港のQE2世C(G1)に挑戦すると、芝コースでの最終追いをボイコットして、さらに鞍上を振り落としかけるなど気性難が露呈。レースでは4角手前から早めに仕掛けるも、最後の直線では騎乗したC.デムーロ騎手が手綱をしごくと嫌がる素振りすら見せて、伸びを欠き5着に終わっていた。
管理する池江調教師はレース後に体調こそ問題なかったものの『メンタルの面が出てしまった』と敗因を述べ、当初は宝塚記念(G1)への出走も視野に入れられていたものの、「調教内容を見直して根本的に直していきたい」と語り陣営は休養を選択。放牧をはさみ、札幌で乗り込んでから栗東へ向かうことを明かした。
そして迎えた秋の復帰戦オールカーマー。最内枠から好スタートを見せたアルアインは先頭から離れた2番手につけ、最後の直線で抜け出した。だが後方から脚を伸ばしてきたレイデオロに並ばれ競り合いになる。前走とは違い嫌がる素振りもなく粘りを見せたアルアインだが、最後の最後交わされてしまいタイム差なしのクビ差で敗れている。
「負けたものの得る物は大きかったレースだったと思います。ここでは何よりもどれだけ気性難が解消されているのかが注目されていました。戦前の調教では当初こそ悪癖が顔をのぞかせていたものの、これを抑えるために池江調教師は坂路で追い切りを重ね、さらにプール調教を併用するなど、アルアインが『あまり嫌がることをしないように』プランを組んでいたようです。
その甲斐あってか、前走ではスムーズに折り合いもついており、最後の最後まで粘ることができたように思えます。叩いて走るタイプの馬ですので、休養明け叩き2戦目となる天皇賞・秋では期待できるのではないでしょうか」(競馬誌ライター)