武豊マテラスカイに「大きな懸念」と不安……能力筆頭も前走大敗は「休み明け体重増」ではなく……
11月4日、京都競馬場でJBCスプリント(Jpn1、ダート1200メートル)が開催される。1番人気が予想されるのは武豊騎乗のマテラスカイ(牡4歳、栗東・森秀行厩舎)。人気に応えて優勝できるのかどうか検討する。
衝撃的だったのが2走前のプロキオンS(G3、ダート1400メートル)。ポンとゲートを出ると武豊騎手に促されてすんなりと逃げ。直線に入ると後続との差は開く一方。武豊騎手はゴール前、余裕で流していた。2着馬には4馬身差をつけ、勝ちタイム1分20秒3はJRAレコード。ダート短距離界に超新星誕生に、競馬界は騒然となった。
マテラスカイのこれまでの歩みを振り返っておこう。2歳秋に未勝利戦を勝ち、3歳春に500万下を勝ったが、それ以降凡走が続いた。転機になったのが今年1月の1000万下。それまで先行するレースが多かったが、初めて逃げて2着になった。これをきっかけに逃げに徹して1000万下特別と1600万下特別を楽勝。
この後、陣営はなんとドバイゴールデンシャヒーン(G1、ダート1200メートル)へのチャレンジを選択。森調教師が重賞未勝利の馬を招待してもらうために主催者にビデオを送ったというエピソードが話題になった。レースでは逃げられなかったものの、アメリカダート短距離界の強豪を相手に5着と健闘。帰国後は降級戦の1600万下特別を勝ち、プロキオンSで圧巻の勝利を飾ることになる。
日本の競馬体系ではダートの短距離は重視されていない。唯一のG1レースがこのJBCスプリント。ダート短距離路線にもっと光をあてるという意味でも、マテラスカイには逃げ切りを演じてほしい。ダート短距離のスターホースが出現すれば競走馬の生産界にも刺激を与えるだろう。
マテラスカイの父はスパイツタウン。ミスプロ産駒のゴーンウェストとカナダの2歳牝馬チャンプMostaqeleh(父ストームキャット)という配合。BCスプリント(G1)の勝ち馬であり、ダート短距離の活躍馬を多く出している。日本ではリエノテソーロ(牝4歳)でおなじみだ。マテラスカイの母系にはブラッシンググルームの血が入っているので大レースで底力を発揮できるはず。