武豊マテラスカイに「大きな懸念」と不安……能力筆頭も前走大敗は「休み明け体重増」ではなく……
そんなマテラスカイだが、JBCスプリントになんの不安もないのだろうか。前哨戦となった前走の大井東京盃(Jpn2、ダート1200メートル)は4着。スピードが乗るに連れ後続を徐々に引き離していく軽快な逃げは見られなかった。直線に入るとネロ(牡7歳)を突き放しにかかったかに見えたが、脚はそこまで。外からネロに交わされ、さらに内からキタサンミカヅキ(牡8歳)に差された。
3カ月の休み明けで馬体重は18キロ増。明らかに本番前の叩きだったと見れば本番での心配は不要だ。ただし、武豊騎手はレース後に「直線で手前を換えないところがあるので、直線の長い大井はそこが気になっていました」とコメントしている。手前換えが下手だと一方の脚が疲れてしまう。直線の短い京都競馬場であれば問題はなさそうだが、若干の不安は残る。
もう一つの懸念材料は良馬場。日本で強いレースをした4戦はいずれも稍重から不良馬場だった。良馬場の東京盃で武豊騎手が「いつものダッシュではなかった」と語っているように、渋って脚抜きのいい馬場でこそスピードが生かせた可能性もある。
さらには展開もやっかいだ。テンのダッシュが飛び抜けてはいないので、セイウンコウセイ(牡5歳)にハナを奪われる可能性もある。ナックビーナス(牝5歳)とレッツゴードンキ(牝6歳)も逃げ馬に楽をさせたくはない。同厩のネロも先に行く。
マテラスカイがJBCスプリントを逃げ切るにはいくつかの不安や課題があるのは事実だ。しかし、それらを克服してここを勝ち切り、ダート短距離界のスターホース誕生を期待する。来年の3月には胸をはってドバイに遠征してもらおう。