現役時代は1勝1敗。良血馬オルフェーヴル×ホエールキャプチャを落札したマイネル岡田総帥の狙いは「三冠馬ミスターシービーの再来」?
先週11日、12日に開催されたセレクトセール2016で、ちょっとした話題になった当歳馬がいた。
父は三冠馬オルフェーヴル、母は2012年のヴィクトリアマイルを制したホエールキャプチャという良血馬は、ディープインパクト産駒以外では最高額となる1億7000万円で落札された。
落札したのはマイネル軍団の総帥・岡田繁幸氏。居合わせた関係者の話によると、落札額が1億円を超えた辺りから急に参戦した岡田総帥が力技で”ぶんどった”らしい。
実はこの当歳馬の父と母は同世代で、現役時代にも顔を合わせている。
それがお互い2歳の10月を迎えていた芙蓉S(OP)であり、来年には三冠馬になるオルフェーヴルを2着に抑え込んだのが、母ホエールキャプチャだった。ホエールキャプチャがこれで3戦目に対して、オルフェーヴルはまだデビュー2戦目だったことからも、キャリアの差が出たのかもしれない。
言い換えれば、この2頭は(特に配合相手が限られるホエールキャプチャは)、人間でいえばまだ中学生もそこそこの時に”運命の人”に出会っているのだ。いずれにせよ、その後オルフェーヴルは2度の凱旋門賞挑戦を含めた「王道」を歩み、ホエールキャプチャもまた牝馬の第一線で活躍している。
その後、2頭は4歳の宝塚記念でもう一度走っているが、引退後こんな形で”縁”があろうとは。競馬ならではのロマンを感じずにはいられない配合である。
実は、今回のオルフェーヴルとホエールキャプチャのように、一頭の馬の両親が現役時代に何度か戦っていたというケースは意外に少ない。
多くの場合、種牡馬になるような馬は現役生活の大半をトップクラスのG1で戦い、今の時代は海外遠征も少なくない。そんなスターに”会いに行く”ためには、その牝馬も牡馬混合G1に参戦できるような実力馬であることが最低限のハードルとなるからだ。
さらに、今回のような”同世代で幼馴染み”の両親を持つ「名馬」ともなれば、競馬史を紐解いても本当にレアケースになる。ただ、「レアケース」というだけで実例がないわけではない。
中でも代表的なのが、三冠馬ミスターシービーだ。