JRA阪神JF(G1)「超速」クロノジェネシスが2強をぶった斬る!? 美しき容貌以上に気になる「可能性」とは
12月は有馬記念(G1)もあるが、2歳馬によるG1レースの季節でもある。9日、その第1弾である2歳女王決定戦、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1、芝1600メートル)が行われる。重賞勝ち馬2頭が2強を形成するが、3番手と見られているのがクロノジェネシス(牝2歳、栗東・斉藤崇史厩舎)。同馬の可能性を探ってみる。
メンバー中、2戦2勝の無敗で3連勝を狙う馬が3頭いるが、その1頭がクロノジェネシス。しかも新馬とオープンを連勝しているのはこの馬だけ。前走、府中で行われたアイビーS(オープン、芝1800メートル)を振り返ってみよう。
1枠1番からポンと出て4番手あたりの好位につける。折り合いには問題ない。1000メートル通過は1分2秒9、ペースはかなりスロー。直線に向いて追われ出すと前にいる3頭にぐんぐんと追いついていき、2着に2馬身差をつけて勝った。スローだったためタイムは1分48秒6と平凡だが、上がり3Fは最速の32.5。
新馬戦(芝1800メートル)もアイビーSと同じようなレースだった。つまり、スタート後すぐに好位に取り付ける脚を持ち、スローでも折り合いを欠くことはない。それでいて速い上がりを使えるのがこの馬の武器だ。ただし、2戦とも超スローで上がりだけの競馬。レースが流れる厳しい競馬の経験はない。
しかし、アイビーSでは当然のことながら新馬戦よりレベルアップした。3戦目となるここでも更にパフォーマンスを上げてくる可能性は十分。最近の阪神ジュベナイルフィリーズはスロー気味になることが多いが、それでも1000メートル通過は59秒代後半くらい。このペースでも好位につけられ、上がり3F34秒台の脚を使えれば勝機が見えてくる。
顔が小さく、ボディーはスリムで脚が長い美人だ。今のところ線が細いとも言える。まだ黒っぽいが実際は芦毛。馬名のクロノは母クロノロジストから取られている。母の父クロフネも芦毛だった。
大手ポータルサイト「競馬ラボ」のインタビューで斉藤崇史調教師は、実際に見てバランスの取れたいいい馬だと感じたこと、ノーザンファーム早来での育成段階から「すごく良いよ」と聞かされていたこと、主戦の北村友一騎手もかなり手応えを感じていることなどを語っていた。