有馬記念(G1)M.デムーロ「完全復活」で本命レイデオロ危うし!? 朝日杯FSアドマイヤマーズ完璧騎乗で今週も「ルメール狩り」なるか
記者の印象に残っているのは9月のローズS(G2)のようだ。1番人気のサトノワルキューレに騎乗して6着に敗れたデムーロ騎手だったが、レース後には「オークスから体が増えてないし、調子が悪かったね」と陣営批判にも取られかねない発言……。最後は上がり3ハロン最速の末脚で追い上げていたものの「全く伸びてくれませんでした」と切り捨てていた。
だが、デムーロ騎手が「弟がいることで、考え過ぎる僕のフォローをしてくれる」と語る弟のC.デムーロ騎手が短期免許で来日した先月頃から、じょじょに調子が上向き始める。
10月末のスワンS(G2)をロードクエストで勝って久々の重賞勝利を上げると、デイリー杯2歳S(G2)をアドマイヤマーズで完勝。今月には土曜日のチャレンジC(G3)を勝って、日曜日のチャンピオンズC(G1)で待望の今年G1・2勝目を飾った。
勝てない時に大きく沈んでしまう分、一度”流れ”が来ると一気に爆発するのがデムーロ騎手だ。
この日の朝日杯FSも、大本命グランアレグリアをマークする理想的な騎乗。最後の直線入り口で並び掛け、相手が怯んだところで一気に先頭に躍り出てそのまま押し切り。「僕と同じで負けたくない気持ちなのがすごい馬。競り合ったら負けない」と評価するアドマイヤマーズの特徴を活かした完璧なレース運びだった。
「こうなってくると、今週の有馬記念(G1)でも怖い存在ですよ。騎乗予定だったスワーヴリチャードが回避したことでモズカッチャンとのコンビになりましたが、良い時のデムーロ騎手は理屈抜きで勝ちまくるパワーがあります。伏兵に騎乗することになって、オッズ的には逆に”美味しい”とすら感じますね。
1番人気が濃厚なレイデオロはメンバーの中では一枚上の存在ですが、本命馬にルメール騎手が騎乗するのは、今回の朝日杯と同じ。今のデムーロ騎手なら”もう一発”があってもおかしくないと思います」(同)