有馬記念(G1)JRA福永祐一「鬼門」でクリンチャーを導けるか……状態良好も「相性最悪」で
年の瀬の大一番、有馬記念(G1・芝2500m)が今週末に中山競馬場で開催される。ここで並み居る有力馬たちを相手に復活を印象づける走りが期待されるのが、クリンチャー(牡4歳、栗東・宮本博厩舎))だ。
昨年、クリンチャーはクラシックを完走したものの、菊花賞(G1)2着が最高着順だった。しかし今年の始動戦となった京都記念(G2)では、ダービー馬レイデオロ、皐月賞馬アルアインら同世代のライバル相手に快勝し、さらに天皇賞・春(G1)では勝ち馬から0.1秒差の3着と好走。昨年のリベンジを果たしつつ、G1級の実力を持つことを証明してみせた。
そしてレース後に管理する宮本調教師は、放牧後フォワ賞から凱旋門賞に向かうこと、フランスでは鞍上を武豊騎手が務めることを明言。馬主であるノースヒルズの前田幸治氏も「スポーツ報知」の取材に対し、2013年に出走したキズナ(4着)を引き合いに出しつつ「重い馬場の適性はキズナよりも上ではないかと思っています」と、期待を寄せた。
陣営から日本馬初の凱旋門賞制覇の夢を託されたクリンチャーと武豊騎手のコンビ。だが、前哨戦のフォア賞では絶好のスタートを切ったものの、最後の直線で次々に交わされてしまい最下位6着。そして悪い流れは続き本番の凱旋門賞でも、道中は好位を確保するも最後の直線を早々と手応えを失い、見せ場なく失速して19頭立ての17着。クリンチャーの凱旋門賞挑戦は最悪の形で幕を閉じてしまう。
「クリンチャーはまさかの2連敗。そしてこの大敗が尾を引かないかが心配されています。近年はマカヒキ、サトノダイヤモンドらが凱旋門賞からの帰国後、長期のスランプに陥りました。それほどまでにレースの反動が大きいということなのでしょう。クリンチャーがどこまで回復できているのかが注目されます」(競馬記者)