【函館2歳S展望】「龍王」ロードカナロアを輩出した安田厩舎も太鼓判!今年は「アグネスワールド級」の逸材スプリンターが登場!
5月29日に終わった日本ダービーの翌週から、さっそく2歳世代の新馬戦が始まって早2カ月弱。今週末には、今世代最初の重賞となる函館2歳S(G3)が開催される。
今年も地方馬を除く、出走全馬が新馬戦や未勝利戦1着からの参戦。それもほぼすべてが、クラシックなどとは何の関係もなさそうなローカル競馬場の1200m以下のレースを使っているだけに、今後の競争人生よりも、まさにこの函館2歳Sに賭けてきた馬も決して少なくないだろう。
中でも特に前評判が高いのは、絶好調の戸崎圭太騎手が騎乗するモンドキャンノ(牡2歳、栗東・安田厩舎)だ。
カレンチャンやロードカナロアといったスプリント王を送り出した安田厩舎から、今年もスピードスターの出現なるか。モンドキャンノの新馬戦は2番手から楽々と抜け出したその内容もさることながら、勝ち時計は函館1200mのコ-スレコードに0.1秒差となる1:09.4。そのスピードは早くも2歳馬離れしていると評判だ。
モンドキャンノが新馬戦で2着に負かしたドゥモワゼルが、未勝利戦を4馬身差であっさりと勝ち上がった事実からも、ここは一本被りの人気まであり得るだろう。
キンシャサノキセキ×サクラバクシンオーという、完璧なスプリント配合。1997年にこのレースを制したアグネスワールドのように、函館2歳から超一流のスプリンターが久しぶりに出るかもしれない。
そのアグネスワールドと同じくマル外のレヴァンテライオン(牡2歳、栗東・矢作厩舎)も評価が高い。
現在、2位と11勝差をつける35勝でリーディングを独走する矢作厩舎の中でも、早くから「これは走る」と太鼓判を押されていたレヴァンテライオン。期待された新馬戦は単勝1番人気だったものの、クビ差の辛勝だった。だが、3着以下を3馬身以上突き放しており、接戦に持ち込まれた2着馬エスケークラウンは、次走の未勝利戦を単勝1.1倍に応えて完勝。単純に2頭のレベルが高かったと見て良いだろう。
日本にまだ馴染みのない血統だが、父のパイオニアオブザナイルは昨年の米三冠馬アメリカンファラオを輩出している。もちろんダート向きだが、そんな馬が走る傾向にあるのが函館2歳の特徴でもある。三浦皇成騎手にとっては、久々の重賞制覇のチャンス。自身の初重賞を飾った思い出のレースで、再びタイトルを手にできるだろうか。