JRA中山金杯(G3)「未知の魅力」ステイフーリッシュの実力は? 舞台は「ベスト」か
最終追い切りは栗東・坂路で4F54秒4-12秒6。時計のかかる馬場だったので悪くはないタイムだ。ただし、矢作調教師は「変わりなく順調にきている。全体的にもう一段良くなってほしいが、折り合いがつきやすそうな中山の2000メートルなら」と微妙なコメント。「中山の2000メートル」という言葉は、この金杯と同じ舞台である一昨年のホープフルS(G1、芝2000メートル)を指す。
中谷雄太騎手騎乗のステイフーリッシュは出遅れて後方からの競馬。3角からまくって好位に進出。直線でもよく伸びて3着にきた。勝ったタイムフライヤー、2着のジャンダルムは重賞での好走実績があったが、新馬戦を勝ったばかりの挑戦での3着は高い将来性を窺わせた。今回、チャレンジCを叩いた効果が出れば勝機もある。
ステイフーリッシュは京都新聞杯以降、連にも絡めていないが、まだまだ未知の部分が大きい。血統的には母のカウアイレーンはクイーンS(G3、芝1800メートル)の3着馬であり、近親にはブラックホーク(安田記念、スプリンターズS)、ピンクカメオ(NHKマイルC)などの名前が並ぶ良血だ。同世代のグレイルも親戚。成長次第では世代トップクラスになる可能性もあるだろう。
メンバー的にレベルが高いとは言えないここは、潜在能力で押し切れるかもしれない。行き脚が戻っていることと藤岡佑介騎手の好判断が条件となる。ただし、馬券の大本線にするのは危険を伴いそうだ。