【フェアリーS(G3)展望】良血レーヴドカナロアに好機到来? ハイレベル3歳牝馬戦線にヒロイン候補また1頭?
今週末の競馬は3日間開催となるが、その初日に開催されるのがフェアリーS(G3)。例年のように高配当が飛び出す波乱含みのレースだが、今年も新馬戦や未勝利戦を勝ち上がってきたばかりの馬が多数を占めているように、難しいレース。25頭が出走登録をしているため、実力もさることながら抽選を突破して出走権を勝ち取った強運もあわせ持つ馬が、春のクラシック戦線をにぎわせるかもしれない。
レーヴドカナロア(牝3、栗東・斎藤厩舎)は良血馬の1頭で注目度は高い。札幌でのデビュー戦は中団待機の競馬で脚を溜めると、4コーナー付近からまくり気味に加速。上り最速の末脚で大外から他馬をまとめて差し切る強い勝ち方を見せた。初めての重賞挑戦となったファンタジーS(G3)では人気の一角となったが、道中早めにポジションを取りに動いたことの影響か、直線では新馬戦のときのような末脚は不発。伸びるどころかズルズルと後退して9頭立ての8着という大惨敗。前走からの巻き返しを狙う今回のレースだがスタートがあまり早くないこの馬にとっては距離が延長される点は好材料となりそう。兄弟馬には重賞ウィナーが多数いる名門一族だけに、ここを制して一気に春の主役候補になれるだろうか。
重賞実績があるアマーティ(牝3、美浦・武井厩舎)は休み明けとなるが、ここでも当然有力な存在だ。サウジアラビアRC(G3)では別格だったグランアレグリアに大きく差を着けられたが、牡馬に交じっての3着という結果は高い能力がないと出せない成績だったはずだ。このレースで骨折のアクシデントが発生し、阪神JF(G1)への出走は見送ることになったが、すでに回復。故障の発覚後から陣営はこのレースを目標に調教も順調にこなしており、状態面での不安もなさそうだ。出走予定馬の中では唯一重賞での実績を残している馬だけに、無様な走りはできない。
このほかでは2勝を上げて出走が確定しているホウオウカトリーヌ(牝3、美浦・栗田厩舎)や、新馬戦を快勝しているアクアミラビリス(牝3、栗東・吉村厩舎)なども今後が楽しみな存在だろう。
3歳牝馬には2歳女王のダノンファンタジーや、果敢に牡馬と戦ったグランアレグリアと強敵が多いが、ここからその2頭に並ぶ活躍馬が出るかもしれない。春のクラシック戦線にもつながるであろうフェアリーS(G3)は、12日(土)15時35分に中山競馬場で発走予定だ。