JRA「善戦快速」ラブカンプー今度こそ? M.デムーロに期待も勝てない理由は
27日、京都競馬場でシルクロードS(G3、芝1200メートル)が開催される。上位人気の一角を占めるのがラブカンプー(牝4歳、栗東・森田直行厩舎)。久々の勝利を飾れるのかどうか、検討してみよう。
単勝派にとって悩ましいのがラブカンプー。全成績は【2・8・1・2】。2勝は2歳10月の未勝利戦と3歳2月の500万下特別で、約1年近く勝利から遠ざかっている。見方を変えれば連系の馬券ファンにとっては実に頼もしい存在。2度の着外は距離不向きの1400メートル戦と1600メートル戦。1200メートル戦に限れば【2・5・1・0】とほぼパーフェクトだ。
昨年から重賞に昇格した3歳限定の葵S(重賞、芝1200メートル)で2着となりオープン馬の仲間入り。その後、アイビスサマーD(G3、芝1000メートル)2着、北九州記念(G3、芝1200メートル)3着、セントウルS(G2、芝1200メートル)2着と好走。名門牧場出身でもなく、もちろん血統馬でもなく、デビュー前から評判になっていたわけでもない。夏の上がり馬というのが一般的な評価だった。
ところがなんと前走のスプリンターズS(G1、芝1200メートル)で11番人気ながら2着に激走。ただし、セントウルSに続くファインニードルの2着であり、極めて順当な結果でもあった。葵S以降、使い詰めではあったものの一戦ごとに強くなり、ついにはG1を取り逃がすまでに成長した。
もはや夏の上がり馬とは誰も呼べない。スプリンターズS後、4カ月の休養、明け4歳となってどんなレースを見せてくれるのだろうか。このシルクロードSは真価が問われる実に興味深いレースとなる。
父はサクラバクシンオー産駒で、高松宮記念(G1、芝1200メートル)を勝ったショウナンカンプ。母の父はスプリンターズSを制したマイネルラヴ。スプリント血脈のかたまりとも言えるが、父も母の父も競馬界を賑やかす活躍馬を出せていない。雑草のように地味な血統の逃げ馬。古い話になってしまうが寺山修司氏が生きていれば間違いなく惚れ込んでいただろう。ちなみに異父兄はキングハート。馬主(増田陽一氏)も生産者(奥山博氏)も同じだ。