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JRAついに「引退決断」したエフフォーリア陣営、心房細動を発症した京都記念がラストラン…立て続けに発生した代表産駒の受難

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JRAついに「引退決断」したエフフォーリア陣営、心房細動を発症した京都記念がラストラン…立て続けに発生した代表産駒の受難の画像1
エフフォーリア 撮影:Ruriko.I

 キャロットクラブが14日に公式ページで発表した内容によると。一昨年の年度代表馬エフフォーリア(牡5、美浦・鹿戸雄一厩舎)が、12日に出走した京都記念(G2)を最後に引退することが分かった。

 1番人気に応えて圧勝したドウデュースに対し、エフフォーリアは2番人気に支持されたが、勝負どころとなった3コーナー過ぎから突然手応えが怪しくなり、そのままズルズルと後退。競走中止という不運に見舞われた。レース中に心房細動を発症したようで、命に別状はなかったものの、2番手を軽快に走る姿に復活を夢見たファンや関係者の落胆は大きかったに違いない。

『東京スポーツ』が報じた鹿戸調教師のコメントを抜粋すると「美浦に戻ってきていて様子を見ていますが、外見上、変わりはなさそうです」と大きな異常は見られないとのこと。ただ、「これだけの馬なので今後のことについてどうするか、クラブ、そしてノーザンファームとも相談をした結果」「大事な仕事が待っている身ということもあり、次に備えるべきではなかろうかという結論に至りました」ということらしい。

 近走は不振が続いていたとはいえ、全盛期に一時代を築いた大物がターフを去ることになったのは寂しい限りである。今後は社台スタリオンステーションで種牡馬となることも決定。2月半ばというタイミングの引退決定でもあり、ネットの掲示板やSNSでは「今年の種付けに間に合いそう」という声も一部で出ていたが、こちらについては定かではない。

 心配されるのはエフフォーリアのデビューから、11戦すべての手綱を任されてきた横山武史騎手の精神面だ。直接的な因果関係は不明ながら、アーモンドアイやグランアレグリアの引退したタイミングにC.ルメール騎手がリーディングから転落した例もある。

 初G1勝利をプレゼントしてくれたパートナーと共にブレイクした若武者にとって、最も思い入れのある馬といっても過言ではないだろう。“エフフォーリアロス”が横山武騎手の精神面に何らかの影を落とす可能性も考えられるが、種牡馬となるからには産駒との出会いも期待できるということ。老婆心ながら、何とか克服してもらいたいと思う。

初年度の代表産駒であるデアリングタクトも…

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デアリングタクト 撮影:Ruriko.I

 一方、古馬となってからスランプに陥ったエフフォーリアだが、産駒が早熟傾向にあると噂されるエピファネイアが父というのも無視できない。エフフォーリアは父の2年目の産駒だが、初年度の代表産駒であるデアリングタクト(牝6、栗東・杉山晴紀厩舎)も他人事ではなさそうなのだ。

 本馬もまた、史上初となる無敗で牝馬三冠を達成した名牝なのだが、三冠ラストの秋華賞(G1)の優勝を最後に勝利から遠ざかっている。2021年4月の香港遠征から帰国後に繋靭帯炎を発症し、1年以上の長期休養を余儀なくされた過去を持つ。

 その後も見せ場は作れても勝てないレースが続き、最終的に主戦の松山弘平騎手からT.マーカンド騎手へと乗り替わった昨年のジャパンC(G1)で4着。今年は25日のサウジカップデーに行われるネオムターフカップ(G3)に向けて調整を続けていたが、つい先日に歩様が乱れていたのを契機に左前脚に腫れが見つかり、遠征を辞退することとなった。

 デアリングタクトに関しては、まだ引退という言葉は出ていないとはいえ、こちらは6歳牝馬であり、現役を続行するとしても残された時間はそう長くない。どちらも歴史に名を残すに値する名馬なだけに、エピファネイアの代表産駒2頭が立て続けにアクシデントに襲われてしまったのは残念だ。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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