ドバイターフ(G1)「打倒アーモンドアイ」ディアドラの真の実力は? 狙いは「ココ」ではなく……?
31日に行われるドバイターフ(G1、芝1800メートル)に今年もディアドラ(牝5歳、栗東・橋田満厩舎)が参戦する。どんなレースができるのか探ってみよう。
昨年、古馬牝馬で最も強かったのはディアドラとリスグラシューと言っていい。JRA賞最優秀4歳以上牝馬を獲得したのはエリザベス女王杯(G1、芝2200メートル)でG1初制覇を飾ったリスグラシューだったが、ディアドラは府中牝馬S(G2、芝1800メートル)でリスグラシューを撃破している。ディアドラは府中牝馬Sの後、苦手な京都外回り2200メートルのエリザベス女王杯を嫌って、照準を暮れの香港C(G1、芝2000メートル)でのG1獲りに絞った。
ところが、香港Cは実に悔しい2着となってしまった。地元のグロリアスフォーエバーとタイムワープがレースを引っ張る展開で、鞍上J.モレイラ騎手のサングレーザーが4番手、鞍上C.ルメール騎手のディアドラは5番手。スローな流れで行った行ったの競馬になりかけたが、直線でディアドラ1頭だけが桁違いの末脚を伸ばした。しかし、先頭に立つことはできなかった。
ルメール騎手はモレイラ騎手のサングレーザーが動くのを待ちすぎたのではないだろうか。もっと早目にグロリアスフォーエバーとタイムワープをつかまえに行けば勝てたようにも思われる。ディアドラの2つ目のG1制覇はおあずけになってしまった。今年こそG1タイトルが欲しい。
陣営がドバイターフのステップレースとして選択したのは中山記念(G2、芝1800メートル)。G1馬5頭が集う豪華メンバーだったが、ファンはディアドラを1番人気に支持した。ところがまったく伸びなかった。勝ったのはウインブライトで、その後にG1馬5頭が続いたがディアドラはG1馬最下位の6着。
かなり不可解な敗戦だった。橋田満調教師はレース後「中山コースをうまくこなせなかったね。予定通り、在厩調整でドバイに行きます」と語っている。敗北を深刻に受け止めている様子はないので、敗れるべくして敗れた前哨戦だったのかもしれない。