JRAヴィクトリアマイル(G1)「横山典弘次第?」アエロリット「府中実績抜群」も……
12日に行われるヴィクトリアマイル(G1、芝1600メートル)で人気の一角を占めるのがアエロリット(牝5歳、美浦・菊沢隆徳厩舎)。好走の条件を探ってみよう。
アエロリットは一昨年のNHKマイルC(G1、芝1600メートル)の覇者であり、昨年は安田記念(G1、芝1600メートル)で2着、毎日王冠(G2、芝1800メートル)を優勝している。府中のワンターン競馬は滅法強い。ここでも実力を発揮できれば勝ち負けに持ち込める能力はある。
ただし、弱点もある。揉まれ弱いのだ。先日、今年の3歳世代によるNHKマイルCが行われたが、圧倒的1番人気に支持された桜花賞馬グランアレグリアは揉まれ弱さを露呈して自滅。これまでの3勝は他馬に並ばれることなく外々を回ってのVだったが、早目に外に出せずに揉まれてしまった。
アエロリットのNHKマイルCはどうだったろうか。同馬の気性を十分に理解している横山典弘騎手は8枠16番から好スタートを決めると外々を回る4、5番手につける。馬場の内目が荒れていたこともあるが、外からも内からも他馬が寄ってこないための作戦でもあった。3角、4角と2番手で回り、直線で追い出されると残り200メートルあたりで先頭に立ち押し切った。
NHKマイルCの前の桜花賞(G1、芝1600メートル)は6枠12番。横山騎手はスタート後、後方4、5番手まで下げて直線勝負に賭けた。良く伸びたものの5着止まりではあったが、これも揉まれないための作戦だったはず。また、この桜花賞が稍重だったのも敗因の1つだろう。これまで稍重以上の道悪競馬は4戦して【0・0・0・4】とまったく結果を出せていない。
前走の米ペガサスWCターフ(G1、芝1900メートル)は田んぼのような道悪に加えて、外から他馬に絡まれるレース。騎乗したF.ジェルー騎手の「パドックでまたがってからレースまで非常にいい雰囲気を感じていましたが、3コーナーから手応えが悪くなってしまいました」というコメントは納得できる。運が悪かったものとして、このレースの10頭立て9着は度外視するべきだ。