JRA宝塚記念(G1)「解放」スワーヴリチャードが美味しい「理由」デムーロとともに昨年の雪辱へ
6月23日に開催される宝塚記念(G1、芝2200メートル)にスワーヴリチャード(牡5歳、栗東・庄野靖志厩舎)が出走する。このところ勝ち星に見離されているが、久々に勝利の美酒を味わえるのだろうか。
競馬ファンは常にニューヒーローの登場を待望する。だからこそスワーヴリチャードは昨年の天皇賞・秋(G1、芝2000メートル)で1番人気に支持された。春は大阪杯(G1、芝2000メートル)でG1初制覇、安田記念(G1、芝1600メートル)は初のマイル戦ながら3着に好走。天皇賞・秋は、かねてから東京コースでこそと思われていた同馬にとって、古馬ナンバーワンであることを実証する絶好の機会だった。
ところが結果は10着。スタートでマカヒキに寄られる不利、4角で他馬と接触するアクシデントなどが敗因とされた。その後はジャパンC(G1、芝2400メートル)で3着、中山記念(G2、芝1800メートル)で4着、ドバイシーマクラシック(G1、芝2410メートル)で3着と好走してはいるが勝ち切れていない。宝塚記念では天皇賞・秋以降の汚名を返上して2つ目のG1制覇といきたいところだ。
「一昨年の日本ダービー(G1、芝2400メートル)はレイデオロが優勝、スワーヴリチャードは3/4馬身差の2着でした。レイデオロの勝因は、C.ルメール騎手がスローペースを読み切って向正面でまくって2番手につけたことです。スワーヴリチャードも7番手あたりにいたのですが、レイデオロより0.3秒速い上がり3F33秒5の脚を使ったものの届きませんでした。
このことから日本ダービーでスワーヴリチャードがレイデオロに負けたのは展開のアヤであって、真っ向勝負になれば逆転も可能という見方が広がりました。だから、昨年の天皇賞・秋ではレイデオロを押しのけて1番人気になったのです。しかし、優勝はレイデオロ、スワーヴリチャードは惨敗という結果から、スワーヴリチャードは本当に強いのかという疑問さえ湧いてきました。