【セレクトセール】JRAも驚愕の2日目!? ABCマートとラウンドワンも爆買い!ディープ産駒が1億から一瞬で4億7000万円へ!全体総括も
最高落札額4億7000万円となった「タイタンクイーンの2019」を競り落とした、アドマイヤでお馴染みの近藤利一氏。前日の最高落札額3億6000万円に続くインパクトに会場は騒然。同馬はお代1億円からスタートし、最初の一声が3億円、そしてあっという間に4億7000万円まで上昇したのだ。これには多くのどよめきとため息が会場から聞かれた。
また、落札者の大きな特徴としては新規馬主が多かった様子。中でも靴の販売でお馴染みの「ABCマート」創業者である三木氏の存在はかなりのインパクトがある。彼は経済誌フォーブス・ジャパンが発表した「日本長者番付2019・50人」の中で、なんと13位にランクインしている財界の大物。その資産総額は4210億円であり、現役馬主の中でも突出した存在だ。ちなみにダノックスでおなじみの野田順弘氏は18位で総資産額は2610億円、サトノの里見氏が50位で1000億円なのである。こうやって比較しても、三木氏の資金力は圧倒的だ。
そんな三木氏が本格的に馬主となるのであれば、競馬界に与える影響は大きい。馬主勢力図が一変するほどといっても過言ではない。ただし本人が語っているように、馬に関してはまったくの初心者とのこと。今回のセレクトセールでも、おそらくノーザンファームの担当者が密着し、ノーザンファームが選んだ田中博康調教師などがバックについて馬選びをしていることは間違いあるまい。
またレジャー施設「ラウンドワン」の杉野公彦氏も本格的にセレクトセールに参入。このセレクトセールでは1歳馬3頭を総額5億9000万円で落札。今後もこういった新規馬主が増えていけば、さらにセレクトセールは活性化していくだろう。
一方で、今年は外国人馬主があまり目立っていなかったという声もある。2日目は多少存在感を出してきたが、初日は1頭しか落札がなかったというほど。関係者の話では、やはり今年の落札価格は高すぎたようだ。海外の関係者が高すぎると感じる理由は二つある。まず日本はレースの賞金が高いゆえに、高額馬であっても長く走れば回収できる見込みがあるということ。もう一つは、国内であれば血統が良ければ引退した後も種牡馬として計算が立つということだ。しかし海外に連れて行った場合、レースの賞金は平均的に低く、重賞でも日本の条件戦と変わらないレースも少なくない。また引退後も、日本の血統が海外で種牡馬として評価されるかは微妙なところ。引退後も種牡馬として回収が期待できる日本と、そうでない海外では、高額馬に対する期待の高さが違うというのだ。それは繁殖牝馬も同じであり、牝馬としての価値もなかなか判断が難しいという。それゆえに、これだけの高額馬になってしまっては、海外の関係者はなかなか手が出せないというのだ。
また前日発表されたキングカメハメハの種牡馬引退のニュースも大きかったと思われる。一部の関係者には水面下でこの話は出ていたと思われ、それが初日の価格高騰に繋がったのだろう。そして公になった後の2日目も、当然のごとく落札価格が上昇。2日目も上場馬6頭すべてが落札され、最高価格は1億9000万円、平均価格も約1億円と全体の倍以上を付けている。