JRA「危険な人気馬」カテドラル? 中京記念(G3)で「脚質転換」は続く?
マイル戦での追い込み競馬に活路を見出したカテドラルが夏のローカル重賞、中京記念に出走するとあれば期待値は高い。鞍上予定がリーディング独走中の川田将雅騎手であるのも心強い。しかもハンデは53キロ。57キロを背負う古馬の牡馬やプリモシーンの55.5キロに比べればかなり有利だ。
ただし、歓迎したくないデータもある。距離が2000メートルから1600メートルに変更された2012年以降の7年間、中京記念における3歳馬の戦績は【0・0・0・4】と3着にすら絡めていない。4歳馬でさえ【0・0・2・7】なので、経験豊富な5歳以上の古馬が有利ということになる。データ派にとっては人気となるプリモシーンとカテドラルをまとめて消せる絶好のチャンス到来というわけだ。
しかし、過去のデータはデータでしかない。中京記念は一昨年まで1番人気が18連敗していたが、昨年は1番人気のグレーターロンドンが優勝した。先週の函館記念(G3、芝2000メートル)も1番人気が飛ぶことで有名なレースだが1番人気マイスタイルが優勝した。データ優先主義以外のファンにとって、カテドラルが3歳馬であることを気にする必要はないだろう。
それよりも大きな問題はカテドラルの使える脚が長くないこと。NHKマイルCは先頭に突き抜ける勢いだったがゴール前で止まり、アドマイヤマーズとケイデンスコールの差しを許している。他のレースでも同様なのだが、一瞬の爆発力はあるが最後の踏ん張りが効かない。
これについて池添学調教師は「パワーがあるので、最終週の中京も向きそう」と語る。荒れ馬場となって切れ味勝負でなくなれば、カテドラルに有利に働く可能性があるということだろう。だからといってゴール前で止まらないという保証にはならない。カテドラルは馬券からは外せないが、アタマにするのは危険な人気馬かもしれない。