JRA小倉記念(G3)「ディープインパクトの可能性拡大へ」アイスバブルにかかる期待
ディープインパクト自身がそうであったように多くのディープインパクト産駒は鋭い切れ味を身上とする。しかし、アイスバブルは少し異なり、池江泰寿調教師は「お父さんのような極上の切れ味はないのですが、長く脚を使えます」と言う。持続力勝負の差し馬なのだ。日本ダービーは前残りの競馬となったが、その後に行われた目黒記念でアイスバブルは外目をよく伸びていた。やはり、タフな競馬に強い。
小倉記念は例年、向正面でペースがゆるくなるものの、3角あたりから各馬がしかけるパワー勝負になりやすい。一瞬の切れはないが長くいい脚を使えるアイスバブルにはぴったりのレース。アイスバブルが叩き合う相手は切れ味勝負のアイスストームより、やはり持続力勝負のメールドグラースになるのかもしれない。メールドグラース57.5キロに対してアイスバブル55キロなら勝機もあるだろう。
鞍上予定はテン乗りとなる福永祐一騎手。追い切りに騎乗した福永騎手は「乗りやすい馬。スタート次第である程度、前で競馬できるんじゃないか」とコメントしている。出撃体勢は整ったようだ。そして、福永騎手はディープインパクト産駒での最多勝利(171勝)という記録を持っている。何かの縁かもしれない。
キングカメハメハが種牡馬を引退し、ディープインパクトが死亡。日本競馬は重大な転換期を迎えた。だからこそ、残されたディープインパクト産駒のさまざまな可能性を見届けておくのも大切なことだ。