JRA札幌記念(G2)ランフォザローゼス「3歳馬の呪い」好走馬はビッグネームばかりの苦境
フィエールマン、ワグネリアン、ブラストワンピースなど、G1馬がずらりと顔を揃えた札幌記念(G2)。まるでG1かと思うほど豪華すぎるメンバーが集結したこの1戦に、無冠の3歳馬ランフォザローゼス(美浦・藤沢和雄厩舎)が挑む。
ランフォザローゼスは父キングカメハメハ、母ラストグルーヴ、母方の祖父はディープインパクト、祖母はG1競走2勝をあげた女傑エアグルーヴという血統を持つ。
今年、京成杯(G3)で2着と好走すると、続く青葉賞(G2)では1番人気に支持された。だが逃げたリオンリオンをわずかハナ差捉えられず2着。勝利はできなかったものの、ダービーへの切符は手に入れることに成功した。
そして迎えた日本ダービー。福永祐一騎手を背に中団追走し、最後の直線でしぶとく足を伸ばすも、届かず7着。だが、3着のヴェロックスから0.2秒差と馬券圏内争いを繰り広げた。
「青葉賞後、鞍上を務めたC.ルメール騎手は『まだフラフラしたり、スッと動けないところがある』と若さがあると語り『まだまだ馬が良くなってくる』と今後に期待を寄せていました。そして、ダービーでもレース後に福永騎手が『これからどんどん良くなると思います』とルメール騎手同様のコメント。
どうやら、春はまだまだ成長途上だったみたいですね。前走から約3カ月が経っていますが、この間にどれだけ成長できたかが、今回の鍵となってくるでしょう」(競馬誌ライター)
ふたりの名騎手たちからその将来を嘱望されているランフォザローゼス。今回、出走する札幌記念の最終追い切りは、芝コースで2頭併せ。本番で騎乗する藤岡佑介騎手を背に、馬なりで5F70秒8、ラスト12秒を記録し、僚馬と併入している。
「実績ある古馬が57キロを背負うのに対して、ランフォザローゼスは54キロと3キロも斤量差があるのが魅力。ですが過去10年、札幌記念に多くの3歳馬が挑戦したものの、勝ったのは14年のハープスターのみ。また馬券圏内も16年に3着だったレインボーライン、09年の2着馬ブエナビスタの2頭で、いずれも(後の、も含めて)G1ホース。やはりいくらハンデがあるとはいえ、3歳の夏に古馬と争うのは荷が重いのでしょう。ランフォザローゼスはちょっと厳しいかもしれませんね」(競馬記者)
この逆境を跳ね返しランフォザローゼスが上位進出することはあるのだろうか? 高額配当の使者となってほしいのだが……。