『史上最強世代』のスプリンターが北海道シリーズで上位独占!「最強クラス」はクラシック路線だけではない
夏競馬も終盤を迎え、いよいよ秋のG1シーズンの足音が聞こえてきた今日この頃。古馬とのレースを重ねるたびに『史上最強世代』と称される今年の3歳勢の層の厚さが浮き彫りになっている。
当初はマカヒキ、サトノダイヤモンド、ディーマジェスティ、エアスピネル、リオンディーズの『BIG5』が牽引するクラシックディスタンスだけが特出して優秀との見方もあったが、サマースプリントシリーズが幕を開け、スプリンターの層の厚さにも注目せざるを得ない状況となってきた。
特に函館スプリントS(G3)とキーンランドC(G3)の北海道シリーズでは、上位を3歳馬が独占。共にワン・ツーゴールを決め、キーンランドCに至っては掲示板を4頭が占めた。
「キーンランドCを勝ったブランボヌールが函館2歳S(G3)、2着のシュウジが小倉2歳S(G3)の勝ち馬であるところが、この世代の恐ろしいところです。例年、函館2歳Sや小倉2歳Sは、G1では能力が足りない早熟馬の救済のようなレース。例えば一昨年だと小倉2歳Sを勝ったオーミアリスは現在1000万下で掲示板にも載れていません」(競馬記者)
確かにブランボヌールやシュウジの走りを見た限り、単なる早熟馬でないことは明らか。そして、4着で函館スプリントSを勝っているソルヴェイグがフィリーズレビュー(G2)の勝ち馬で、5着のナックビーナスが葵S(OP)の勝ち馬。そういった各ステークスウイナーがしっかりと結果を出す辺りが、この世代の層の厚さを物語っている。
無論、まだビッグアーサーやミッキーアイルといった超一流どころとは対戦がないため、世代交代を掲げるのは早計だ。しかし、仮に3歳でスプリンターズS(G1)を勝つようなことがあれば、『史上最強世代』に大きな勲章が付くことは間違いない。
過去10年で、3歳馬ながらスプリンターズSを制したのは2007年のアストンマーチャンのみ。ウオッカ、ダイワスカーレットという史上最強クラスの名牝が牽引した、牝馬だけが極めてハイレベルな世代だった。