JRA福永祐一「最悪の騎乗」と吐き捨てた3年前の悲劇。セントウルS(G2)大本命ミスターメロディで「悪夢」払拭なるか
8日に阪神競馬場で行われるセントウルS(G2)で、春のスプリント王者・ミスターメロディ(牡4歳、栗東・藤原英昭厩舎)がいよいよ始動する。
今春の高松宮記念(G1)で初の芝1200m挑戦だったにもかかわらず、先頭でゴールを駆け抜けたミスターメロディ。8月7日に放牧先のノーザンファームしがらきから帰厩、スプリント戦線の主役として迎える秋も、陣営が「G1を勝って自信がついたんだろうね。雰囲気が出てきた」と成長を実感するなど、ここまですこぶる順調だ。
始動戦となるセントウルSは、当然ながら1番人気が予想される。秋の大目標は春秋連覇のかかるスプリンターズS(G1)となるが、そのためにもここは王者の貫禄を示しておきたいレースだ。
しかし、そんな充実一途のミスターメロディとは対照的に、一部のファンから不安の声がささやかれているのが、主戦の福永祐一騎手だ。
福永騎手と春のスプリント王者といえば、やはり3年前の高松宮記念を勝ったビッグアーサーが記憶に新しい。このコンビもまた、秋のセントウルSから始動。単勝2.1倍の人気に応えた堂々たる勝利だったが、一方で、その“勝ち方”を不安視する声があったようだ。
「高松宮記念までは主に中団から先団から競馬していたビッグアーサーでしたが、セントウルSでは好ダッシュからハナに立つ競馬。前が止まりにくい開幕週という馬場コンディションを考慮すれば、福永騎手らしい理にかなった騎乗と言えますが、本番を迎えるにあたり『結果的に逃げる競馬を覚えさせてしまった点が、どうか』と、戦法を変えたことを懸念する声もありました。
その不安が形になって浮上したのが、次走のスプリンターズSでした。
セントウルSと同じように最内枠から好スタートを切った福永騎手でしたが、他の陣営が同じ轍は踏まんと言わんばかりに、激しい先行争いに。好位に付けたビッグアーサーでしたが、前を塞がれた状態のまま最後の直線で進路を失い12着に大敗……。
ほぼ何もさせてもらえずに敗れた一戦に、レース後、福永騎手が自ら『最悪の競馬』『僕が上手くさばけていたら……申し訳ない』とコメントするほどショッキングな敗戦でした」(競馬記者)
G1での1番人気の大敗ということもあって、多くの競馬ファンの非難を一身に浴びた福永騎手……さらに間の悪いことに、この日の夜にはフランスで凱旋門賞(G1)が行われ、テレビ中継のゲスト解説に出演しなければならなかったのだ。
「大きなレースで負ければ非難される騎手の宿命ではありますが、内容が内容なだけにテレビに登場した福永騎手は顔面蒼白といった感じでした。
番組の制作側もスプリンターズSの勝利騎手として招くつもりだったのかもしれませんが、まさかあのようなレースになるとは……。福永騎手にとっても悪夢のような一日だったと思います」(別の記者)
あれから3年、再び春のスプリント王者とともにセントウルSへ戻ってきた福永騎手。本番のスプリンターズSを見据え、今回はどういった競馬を見せてくれるのか。結果はもちろん、内容に関しても高い注目が集まりそうだ。