武豊「絶対的影響力」マテラスカイ芝挑戦の裏……でもコラムでは「コリア不安」も吐露
芝のスプリント重賞セントウルS(G2)への参戦を決めたマテラスカイ(牡5歳、栗東・森秀行厩舎)。有力ダート馬の芝レース参戦という異例の事態に注目が集まっているが、この挑戦は主戦騎手である武豊騎手の“ある一言”が影響したためだと報じられている。
マテラスカイは今秋、韓国のコリアスプリント(G3)から始動し、BCスプリント(米G1)参戦を予定していた。だが、昨今の日韓の関係悪化で、同レースに今年は日本馬が選出されないこととなり遠征を断念。セントウルSに回ることになった。
だがエキサイト新聞「東スポ」によれば、「ほかに使うレースもないので」(高野助手)という理由があるものの、以前から芝へ再挑戦してみたいと考えていたという。そしてそれは主戦の武豊騎手が「芝スタートのところが一番速いな」と芝スタートだと行きっぷりがいいと明かしていたからというのも一因だそうだ。
「武豊騎手がマテラスカイで経験した芝スタートのレースといえば、昨年の中山競馬場の頌春賞(1000万下、ダ1200m)、そして中京競馬場のダート1400mで開催されたプロキオンS(G3)などでしょうか。
頌春賞はコンビ結成初戦ですし、プロキオンSも5番人気ながら、その年のフェブラリーS(G1)、かしわ記念(G1)でともに3着に入った実績を誇るインカンテーションに4馬身差をつけて優勝。武豊騎手にとっても印象深いレースでしょう。そのため芝スタートのダート戦にいいイメージを持っているのかもしれませんね」(競馬記者)
そのマテラスカイは、4日に行われた最終追い切りで、武豊騎手が騎乗して坂路で併せ馬。4F49秒4、ラスト11秒9をマークし、2馬身先着した。武豊騎手は「息遣いはまだ重いかな」と不安を吐露したが、「ドバイのような硬いダートのほうが力を出せるので芝でも楽しみ」「スピード負けすることはない」と語っている。
レジェンドのアドバイスが意外すぎる挑戦を後押ししたようだ。そして、武豊騎手は自身の公式サイトの日記でも芝レースへの挑戦事態は心配していないものの、『少し太い感じがするのがどうかです』と綴り、さらにコリアスプリント出走断念について、『政治とスポーツはまったく別物であってほしいのですが、そうはいかない事情があるのでしょう。平和を願いつつ、やれることをやるのみです』と思いの丈を打ち明け、『今週も、全力で競馬を頑張ります』と締めていた。
競馬場外のゴタゴタに巻き込まれたダートのスピードスター・マテラスカイは芝でも結果を残すことができるのだろうか? 波乱を巻き起こしてくれることを期待したい。