武豊、伊勢丹トークショーで「リップサービス」全開! 比類なき存在であるからこその「スター性」と「不安」

武豊騎手(撮影:編集部)

 競馬界の顔役・武豊騎手が1日、新潟伊勢丹のアートホールで開催されている、デビュー30周年を記念した「武豊展」でトークショーを行った。スターを一目見ようと、200人ものファンが会場を埋めた。

 武騎手は「(今日のスーツは)伊勢丹で買いました」、一番気になる騎手は「藤田菜七子です。カメラの多さに嫉妬した」と相変わらずの「ユタカ節」で笑いを誘う。トーク終盤には30年を振り返り「気がついたらもう…という感じですね。もっとうまくなりたいし、今は理想形ではない。まだまだ乗りたい」と、変わらぬ向上心を語っている。

 実績はもちろん、毎度のマスコミ対応やトークを見るだけで「武豊の代わりなどいない」と痛感させられる。ファンが自分に何を求め、何をすれば自分がどう思われるのかを熟知しているあたり、やはり一人間として魅力に溢れていることが分かる。

 逆に、これほど「完成されたスター」だけに、将来的にそのポジションを”継ぐ”日本人騎手が輩出されることはないのでは、と心配になるファンも多いだろう。現在はJRA生え抜き騎手よりも、地方からの移籍組や通年免許を得た外国人騎手の活躍が目立っている部分もある。浜中俊騎手や川田将雅騎手など実力と華を持ったアラサー騎手もいるが、タレント性という点で武騎手には残念ながら及ばないだろう。

 無論、本業が競馬騎乗である以上、競馬で”魅せる”ことができれば問題はない。ただ、90年代から現在に至るまで、中央競馬が大衆の娯楽、エンターテインメントとして定着した一端に、メディア出演をこなし華やかな印象を植え付けた武騎手の存在があるのは間違いない。その上で前人未到の4000勝に大手をかけているというのだから、あまりにも圧倒的すぎて追随することすらできないのも仕方がない。

 武騎手にもいずれ引退の時は来るだろう。その時競馬界がどうなってしまうのか、少々不安になるのは誰も同じだろう。

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