JRAヴェロックス「勝確」の法則!? 神戸新聞杯(G2)「サートゥルナーリアと、どれだけの競馬ができるか」宿敵撃破へ「最強」川田&中内田コンビの真骨頂
19日、ヴェロックス(牡3歳、栗東・中内田充正厩舎)が神戸新聞杯(G2)に向けた最終追い切りを行い、軽快な動きを披露した。
栗東のCウッドコースで行われた最終追い切りには、主戦の川田将雅騎手が騎乗。6ハロンを軽めの単走追いだったが、最後にはこの馬らしい伸びを見せた。この動きには川田騎手も満足気。「順調に夏を越せたみたいで、いい雰囲気」と自信を深めている。
充実の春を過ごした。しかし、肝心のタイトルには届かなかった。
若駒S、若葉Sとリステッド競走を連勝して挑んだ皐月賞(G1)。最後の直線で一度は先頭に躍り出たが、後ろから来たサートゥルナーリアに馬体をぶつけられる不利もあり、痛恨の2着。アタマ差で敗れ“遺恨”の残る結果となった。
続く日本ダービー(G1)では、宿敵サートゥルナーリアには先着したものの、逃げたロジャーバローズを捕まえられずに3着。レース後、川田騎手も「目標としていたサートゥルナーリアには逆転できたのですが……」と唇を噛みしめる結果となった。
あれから約4か月。再び雌雄を決すこととなったヴェロックスとサートゥルナーリア。結果次第で、後者が菊花賞へ向かわないケースもあり、場合によっては最後の直接対決になる可能性もある。
ここまで1勝1敗だからこそ、今回でライバルに勝っておきたいはず。そんなヴェロックスにとっては「ジンクス」という点で、大きなアドバンテージがある。
「約4割を超える高い勝率を誇る今年の川田騎手と中内田厩舎とのコンビですが、この春6度あったG1で全敗したことにより、大舞台での決め手を欠いているイメージがあります。
ですが、一方でG2では5戦全勝と絶好調。先週のローズS(G2)のダノンファンタジーも、ライバルたち差を見せつける見事な勝利でしたし、同厩のヴェロックスも続きたいところでしょう」(競馬記者)
記者の話す通り、今年の川田騎手と中内田厩舎のコンビはG2で5戦5勝と無敗。チューリップ賞、金鯱賞、阪神牝馬S、マイラーズC、そして先週のローズS(いずれもG2)を制し、出走すれば勝つといった“無双状態”が続いている。
逆にG1で結果が出ていないことが、より深刻になるデータではあるが、G2の神戸新聞杯を戦う今回のヴェロックスにとっては、この上なく頼もしいジンクスといえる。
「休み明けという感じはありますが、この状態でサートゥルナーリアと、どれだけの競馬ができるか」
追い切り後、改めてライバルを意識した川田騎手。ヴェロックスが勝てば、父ジャスタウェイにとっては最初の重賞勝ちになる。サートゥルナーリアに春の“借り”を返し、「3歳最強馬」としてG1へ挑みたい。